覚え書:「フィルムノワール/黒色影片 [著]矢作俊彦」、『朝日新聞』2015年01月11日(日)付。

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フィルムノワール/黒色影片 [著]矢作俊彦
[掲載]2015年01月11日   [ジャンル]
 
 神奈川県警の元刑事・二村永爾(ふたむらえいじ)は、日本で起きた連続射殺事件の謎と1本の映画フィルムの行方を追い、香港に向かう。フィルムは、戦前の満映、戦後は日活で映画監督をした桐郷(きりごう)が香港で撮影し、監督の横死とともにお蔵入りになった伝説の作品。そこには何が映っていたのか。同じ殺し屋による射殺事件が起き、二村が香港を走る。
 旧満州以来の因縁、奇妙なビルの中での映画撮影、5インチのピンヒールで疾走する女優に、実名で登場する宍戸錠……香港の裏社会を背景に、香港/日活映画のように展開が速いハードボイルドアクション。あまりに速くて、二村はついにまともな中華料理を食べる暇もなかったが、お約束の無駄口はたっぷりだ。
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新潮社・2484円
    −−「フィルムノワール/黒色影片 [著]矢作俊彦」、『朝日新聞』2015年01月11日(日)付。

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展開が速いハードボイルドアクション|好書好日


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矢作 俊彦
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