覚え書:「折々のことば:885 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年09月26日(火)付。

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折々のことば:885 鷲田清一
2017年9月26日

 本当の孤独は、誰かと一緒にいるときに感じるんですよね。

 (白石一文

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 白石の小説『ほかならぬ人へ』文庫版の解説を書いている編集者は、失恋した時、白石からこの言葉をもらったという。赤の他人は無関係な人。他方、身近の他人とは始終、意識が交差するので、軋(きし)みが生じるたびに理解の限界を思い知らされる。でも差異がより微細に見えてくることが人を理解することだと考えれば、ここでの孤独はむしろしみじみと味わうべきものとなる。
    −−「折々のことば:885 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年09月26日(火)付。

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折々のことば:885 鷲田清一:朝日新聞デジタル







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