日記:あんときのデジカメ Canon IXY10s とにかくレンズの優秀な広角カメラ 2010年。


■ 機種名から「DIGITAL」が消えた最初のモデル
早くても、だいたい、ちょいと遅れてから……つまり発売から1年ぐらいすぎてから……手にとるのがデジタルカメラというものですが、2010年春モデルとして発売されたIXY10s 30s 50sというのは筆者にとって、ある意味では印象深いシリーズです。ちょうど2011年にこのシリーズを入れ替わり使ってみたのですが、震災を挟んだ時期であり、このシリーズでその様子を記録したことを覚えております。
東京の在でしたが、思えば、(意味の分からない)計画停電や食料品・日用品の品切れ、そしてガソリンを待つ500メートル以上の車両の列……。あれから8年が経過したのかと思うとゾッとするのですが、筆者としては、ついこの前のようにも思われてしまい、時間感覚とは一体何なのだろうかと思ったりしますので、この時間感覚の問題については稿を改める必要があると考えております。

4月に3つで3千円ぐらいでゲットできたので、ちょうどいま、その3機種で撮り比べているのですが、これは同時代的にやろうとすると、5万〜6万円はかかってしまうので、その意味では時間がだいぶ経ったんだなあと思ったりです。

さて、今回ご紹介するのは、そのIXY シリーズの最上位モデルのIXY10sです。24mmの広角レンズを搭載したモデルで、前機種のIXY DIGITAL 930ISの後継機になります。930ISも24mm広角で、タッチパネルを搭載しており(これも長く使いましたが)、広角+タッチパネル操作がこの10sの特徴ということになります。ただしこの10s(そして30s、50s)から「DIGITAL」という表記がなくなります。

ボディを見てみるとわかりやすいのですが、軍艦部に電源スイッチと再生ボタン、そしてシャッター(ダイヤル含む)のみで、背面は大型の3.5型の液晶パネルのみで、さっぱりとしたデザインです。

■ IXYではなくIXUS
IXY10sですが、筆者が手にとっているのは、正確には、IXYではなく、「IXUS210」というモデルです。これはアジアへの輸出向けのIXYの名前で、おかげでといいますか、通常のIXY10sを購入するよりもさらに格安で購入できました。出品者が中国語しか表示できないので(汗、みたいな話でしたが、これは設定でワールドランゲージに変更できるので、まったく問題なく、ありがたい買い物になってしまいました。良い子は真似をしないようにお願いします。
程度は、中の上。液晶パネルには保護フィルムもあり、本体とバッテリー、純正ストラップのみでしたが、純正ストラップに付属のタッチパネル操作用のツメもあり、ほんとにお得な買い物になりましたが、前モデルの930ISのときもそうでしたが、最初の設定を終えると、案外、タッチパネルというのは使わないものでした。時々、ピントを違う位置へ変更するときぐらいですね、人によってはこれを便利に使い分けるのだと思いますが、どうも頭の仕様がポンコツというか古いので、致し方ありません。
ちなみにスタイリッシュな筐体は、同時発売のIXY30sとほぼ同じ。次のモデルでは、IXY10sと30sが統合されて31sになるのですが、その前夜といったところでしょうか。

■ 広角28mmに物足りなさを感じる人はおすすめ
さて、スペックを紹介しながら使い勝手を見ていきましょう。撮像素子は、1450万画素1/2.3型CCDで、レンズは広角24mmからの5倍ズーム(120mm)。24mmで5倍ズームといえば、この10sが発売された前年である2009年発売のSONY DSC-WX1とほぼほぼスペックが同じということになりますが、両者は解放f値と、撮像素子が異なります(WX1に関しては、以前、「あんときのデジカメで紹介しているので御覧ください)。WX1がf値2.4でCMOS、10sがf値2.8でCCD。取り替えながら、撮り比べた訳ではありませんが、筆者としては、断然10sが使い安い印象です。CMOSよりもCCD派ということもあるのですが、撮像が全体として「安定」しており、広角から望遠端まで全域で、10sの方が安心して撮影できるという印象です。
搭載レンズは24mm相当の広角からの光学5倍ズーム(望遠端は120mm相当)。f値はF2.8−5.9で、望遠端は少々暗めですが、レンズシフト式の手ブレ補正機構を内蔵しているので、コンディションが極端に悪くなければ、問題ありません。
さて、他のIXYと大きく違うのがオートマクロになっていることです。通常時の最短撮影距離が50cmで、マクロに切り替えて5cmまで寄れるというのがだいたいのパターンなのですが、切り替えなくそのままで撮影できるのは非常に便利です。広角レンズを生かして、マクロで接近してダイナミックな画作りが容易にできるのは、本機の特徴といってよいでしょう。この時期ぐらいのモデルから広角28mmが当たり前になってきますので、28mmだとちょっとものたりたい人には本機はおすすめです。広角端の歪曲収差は24mmレンズとしてはよく抑えられているし、望遠端の歪曲収差も目立つほどではありませんので、とにかくコンパクトカメラ搭載のレンズとしては非常に優秀です。さすがCanonといったところでしょうか。

以下、作例です。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。筐体はiPhone6sで撮影。
※というか、いいかげん、iphoneを更新したい。





↑ 広角端24mmで撮影(A)。


↑ (A)を光学望遠端120mmで撮影。




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↑ 広角端24mmで撮影(B)。

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↑ (B)を光学望遠端120mmで撮影。

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Playing old digital Camera Canon IXY 10S 2010 | Flickr

キヤノン:Q&A検索|【コンパクトデジタルカメラ】デジタルカメラIXY 10S機種仕様

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↑左側がIXY30s、右側がIXY10s。筐体がよく似ている。

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