覚え書:「折々のことば:922 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月03日(金)付。

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折々のことば:922 鷲田清一
2017年11月3日

 朝に見て昼には呼びて夜は触れ確かめをらねば子は消ゆるもの

 (河野裕子

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 口もとを拭い、肌を洗い、むずかる声に安心する。迷い子になるのではないか、神隠しにあうのではないかと、この瞬間も子を案じる母の想(おも)いは、ぬめりと湿りで噎(む)せんばかり。娘の紅(こう)は長じてみずからも歌人となり、裕子の遺した歌の数々に「微細な陰影や湿り気に命を与えるような短歌の生理」が滲み出ていると懐かしむ。永田和宏・淳・紅『あなた 河野裕子歌集』から。
    −−「折々のことば:922 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月03日(金)付。

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折々のことば:922 鷲田清一:朝日新聞デジタル






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