覚え書:「折々のことば:924 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月05日(日)付。

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折々のことば:924 鷲田清一
2017年11月5日

 赤ん坊がこんなに柔らかいとは思ってもみなかった。これだけ柔らかく世界と接していられることが羨(うらや)ましくもあり、怖い感じもした。

 (中村太郎

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 「簡単に心を開きそうもない人間」のほうが安心だと言う青年が、知りあったばかりの女性から赤ん坊を少しの間預かってと頼まれる。自分の被膜が損なわれること、破られることにずっと怯えてきた彼は、世界と融けあう無防備な生きものの感触にうろたえる。覆面作家の短編小説「慎ましく世界を破壊すること」(『群像』10月号から)。
    −−「折々のことば:924 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月05日(日)付。

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