覚え書:「折々のことば:930 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月11日(土)付。
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折々のことば:930 鷲田清一
2017年11月11日
敵として恨んだ米兵が、かえって教えを説いた先生よりも親切であった。
(仲宗根政善)
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沖縄で負傷兵の看護に動員された女子生徒を引率する教員の仲宗根は、敗走する中、深手を負った生徒を置き去りにした。無惨(むざん)な戦いの後、米軍に救助された生徒と病院で再会し、こう思う。そして「日本国家全体が犯した罪が、具体的には自分を通じてあらわれた」とおののく。瀕死の生徒は、苦悩する彼に、感謝のことばさえ口にした。『ひめゆりの塔をめぐる人々の手記』から。
−−「折々のことば:930 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月11日(土)付。
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ひめゆりの塔をめぐる人々の手記 (角川ソフィア文庫)
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