覚え書:「折々のことば:947 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月29日(日)付。


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折々のことば:947 鷲田清一
2017年11月29日

 一ばんしりぞけがたい誘惑は何かというと、まったく考えるのを放棄してしまいたいという誘惑よ。

 (シモーヌ・ヴェイユ

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 それだけが「ただ一つ、これ以上苦しまないですむ方法」だと、炭鉱労働者や失業者を支援し、みずからも工場に入った思想家は言う。断片化された労働、機械の速度への隷従、命令への服従。気がつけば彼女自身が「服従よりもさらにすすんで、何ごともあきらめて受け入れるようになっていた」。『工場日記』(田辺保訳)から。
    −−「折々のことば:947 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年11月29日(日)付。

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