日記:ロックのフィルマー批判

ジョン・ロック(加藤節訳)『完訳 統治二論』(岩波文庫)。

膨大な第一部はフィルマーの王権神授説批判。「いかなる人間も自由に生まれついていない」というフィルマーの神学は、人間の自由や幸福の追求を保証する神への冒涜に他ならない。近代民主主義基礎論は神学的挑戦(「神の作品」の政治)から生まれたことに留意しなければならない。

人間の「プロパティ」は神に由来する。だとすれば、フィルマーとは異なった仕方で弁証しなければらない。ここに「神学のパラダイム」と「政治的なるもの」(を相対化)させていく往復=神学のダイナミズムが、仮象を絶対化する神学「なるもの」を撃つのである。現在も同じような危機の時代である。

僕は神が存在するのか、神が存在しないのかに関心は一切なくて、フィルマーの神学のようなものが大手を振って歩くことが恐ろしいというだけの話。おなじような現象がかく方面で惹起していることに驚きを隠せない。驚くだけでなくて何とかしなければならないのだけどね。