覚え書:「折々のことば:966 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月19日(火)付。


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折々のことば:966 鷲田清一
2017年12月19日

 人間は動物に戸籍をもちながら、できるだけ動物から逃走し、動物性を拒否し、動物であろうとしない、奇妙な逆説的動物だった

 (山内昶〈ひさし〉)

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 ヒトは、食物を摂取し、排泄(はいせつ)するという代謝をし続けないと生き存(ながら)えられない。生殖によって種の再生産も続けねばならない。なのにその食と性にさまざまの禁制(タブー)をかけてきた。他の動物のように自然に適応し、それと共棲する可能性もあったのに、自然を改変し制御する道を選んだからだと、文化史家は言う。『タブーの謎を解く』から。
    −−「折々のことば:966 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月19日(火)付。

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