秋は来ぬ おくれさきだつ秋草も みな夕霜のおきどころ 笑ひの酒を悲みの 盃にこそつぐべけれ





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  秋は来ぬ
  秋は来ぬ
おくれさきだつ秋草も
みな夕霜のおきどころ
笑ひの酒を悲みの
盃にこそつぐべけれ
    −−藤村藤村「秋思」、島崎藤村自薦『藤村詩抄』岩波文庫、1995年、60頁。

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昨夕、台風15号が首都圏を直撃。
夕刻、嵐の中を家人とひやひやしながらその災禍をやり過ごしましたが、時間が経つと……っていいますかその間は市井の仕事ちうでしたが……すっかり秋の気配。
※(こういうことを表記しないとスコボコにされるので、言表しておきますが、もちろんその厄災に対する何がないわけではありません、念のため)

このところ、日本の秋は「短くなった」といわれます。
たしかにその側面も否定しがたいのだとは思いますが、それだけではないのかもしれません。

普段聞き落としがちな虫の声、風の匂い、星のきらめきにも秋の気配は感じられるはず……。

一番大好きな季節が秋ですが、さて……、今年はどのように楽しみましょうか。





⇒ ココログ版 秋は来ぬ おくれさきだつ秋草も みな夕霜のおきどころ 笑ひの酒を悲みの 盃にこそつぐべけれ: Essais d'herméneutique




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