2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「『AV女優』の社会学―なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか [著]鈴木涼美 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年08月25日(日)付。

- 「AV女優」の社会学―なぜ彼女たちは饒舌に自らを語るのか [著]鈴木涼美[評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年08月25日 [ジャンル]社会 ■語ることと語り得ぬことの相剋 おそらくAV(アダルトビデオ)ほど、日常的に消費されながらも、あえてそ…

覚え書:「折口信夫の青春 [著]富岡多惠子・安藤礼二 [評者]赤坂真理」、『朝日新聞』2013年08月25日(日)付。

- 折口信夫の青春 [著]富岡多惠子・安藤礼二[評者]赤坂真理(作家) [掲載]2013年08月25日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■対談で描き得た人物像の新地平 折口信夫は、長らく私の気になる人だった。今や私のアイドルと言っていいが、彼自身の著書は、ぐっ…

日記:吉野作造と南原繁における「新生の経験」

吉野作造と南原繁を対比していくといくつか共通点を見出すことができるのですが、その一つは、ふたりとも、共同体から嘱望された将来を、キリスト教入信期の青年期に否定していること。

覚え書:「みんなの広場 戦争の悲惨さ 語り継ごう」、『毎日新聞』2013年8月23日(金)付、+α

- みんなの広場 戦争の悲惨さ 語り継ごう 主婦 60(東京都渋谷区) 8月9日、長崎は68回目の「原爆の日」を迎えた。田上富久・長崎市長の平和宣言が深く心に響いた。市長が今年4月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会で核兵器の非人道性を訴…

覚え書:「書評:パリ大全 エリック・アザン著 杉村昌昭訳」、『東京新聞』2013年08月25日(日)付。

- パリ大全 エリック・アザン著 杉村昌昭訳2013年8月25日 ◆積み重なる時と人を透視 [評者]雑賀恵子=評論家 整備中の新橋−虎ノ門を通る環状2号線(新虎通り)が「シャンゼリゼ通り」になるという。いや、それを手本に、歩道の幅を最大級に広げ、街路樹や…

覚え書:「今週の本棚・この3冊:沖縄と東北をつなぐ=大城立裕・選」、『毎日新聞』2013年08月25日(日)付。

- 今週の本棚・この3冊:沖縄と東北をつなぐ=大城立裕・選毎日新聞 2013年08月25日 東京朝刊 <1>福島に生きる(玄侑宗久著/双葉新書/840円) <2>「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか(開沼博著/青土社/2310円) <3>東日本大震…

書評:瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』編集グループSURE、2013年。

瀧口夕美『民族衣装を着なかったアイヌ』編集グループSURE、読了。本書は、1971年生まれのアイヌの女性が、戸惑いながらも、母親をはじめアイヌの人たちに過去を尋ねて歩く記録だ。「今はもう日本人なんでしょう?」から始まる旅は、(善意はあって…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『魯山人の世界』=白崎秀雄・著」。『毎日新聞』2013年08月25日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『魯山人の世界』=白崎秀雄・著毎日新聞 2013年08月25日 東京朝刊 (ちくま文庫・1050円) 生前は「この上なく嫌い」だったが、死後に「地下の魯山人(ろさんじん)が仕掛けて来る蠱惑(こわく)にしたたかまどわされ、酩酊(めいて…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『吉本隆明と「二つの敗戦」=とよだもとゆき・著』」、『毎日新聞』2013年08月25日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『吉本隆明と「二つの敗戦」=とよだもとゆき・著』毎日新聞 2013年08月25日 東京朝刊 (脈発行所・1575円) 吉本隆明が3・11後も反(脱)原発を批判したことに関し、違和感を覚えた人も多いだろう。さまざまな吉本論でそのことに…

覚え書:「メディア時評 『ゲン』の時代は終わっていない=荻上チキ」、『毎日新聞』2013年08月24日(土)付。

- メディア時評 「ゲン」の時代は終わっていない 荻上チキ 評論家 松江市の「はだしのゲン」(以下、ゲン)閉架に関するリアクションは、思ったより大きなものとなった。「ゲン」という作品自体が持つ影響力の範囲を確認させられた格好だ。 同市教育委員会に…

覚え書:「今週の本棚:小島ゆかり・評 『スバらしきバス』=平田俊子・著」、『毎日新聞』2013年08月25日(日)付。

- 今週の本棚:小島ゆかり・評 『スバらしきバス』=平田俊子・著毎日新聞 2013年08月25日 東京朝刊 (幻戯書房・2310円) ◇不思議な時空を追体験する乗り物エッセイ 鉄道をこよなく愛する人々がいるように、バスをこよなく愛する人もいるのである。その…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『幸福の経済学−人々を豊かにするものは何か』『「幸せ」の経済学』」、『毎日新聞』2013年08月25日 東京朝刊(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『幸福の経済学−人々を豊かにするものは何か』『「幸せ」の経済学』毎日新聞 2013年08月25日 東京朝刊 ◆『幸福の経済学−人々を豊かにするものは何か』=C・グラハム著、多田洋介訳(日本経済新聞出版社・2100円) ◆『「幸せ…

日記:「感動したあ」という病(やま)い

1年のうち24時間だけ、日本の一部がチャリティ熱につつまれて、地球は果たして救われてしまうのでしょうか?……などと誰何すると、なんだテメエ、と言われそうですが、「感動したあ」乙という構造は、結局のところ、お賽銭をちゃり〜んとなげて、これで1…

覚え書:「女子と作文 [著]近代ナリコ」、『朝日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 女子と作文 [著]近代ナリコ [掲載]2013年08月18日 [ジャンル]人文 著者は、女性による女性向けエッセーにひかれ、古本屋でみつけてはそれらからみえてくる欲望をミニコミ誌などで紹介してきた。本書は〈女性が書くということについて〉をテーマに、〈文学…

覚え書:「ニコライ [著]中村健之介」、『朝日新聞』2013年08月18日(日)付。

- ニコライ [著]中村健之介 [掲載]2013年08月18日 [ジャンル]歴史 ロシア正教の大主教ニコライ(1836-1912)は、東京・神田にあるニコライ堂で知られる。幕末に来日して日本正教会を創建し、日本での活動は半世紀に及んだ。ロシア文学者の著者は、関…

覚え書:「みんなの広場 『取り戻すもの』見えてきた」、『毎日新聞』2013年08月23日(金)付。

- みんなの広場 「取り戻すもの」見えてきた 無職 65(山口県周南市) 自民党が言う「日本を取り戻す」は、誰から日本の何を取り戻すのかが曖昧だった。だが、参院選圧勝後、安倍晋三首相や閣僚による国防軍創設議論の加速や集団的自衛権の容認、日本版海兵…

覚え書:「たそがれ・あやしげ [著]眉村卓 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年08月18日(日)付。

- たそがれ・あやしげ [著]眉村卓 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年08月18日 [ジャンル]文芸 ■人生顧みる時、迷い込む異界 70年代の傑作ジュブナイル「なぞの転校生」「ねらわれた学園」。21世紀になってからも再刊され読者を得ている「司政官シリーズ…

覚え書:「世紀の名作はこうしてつくられた [著]エレン・F・ブラウン、ジョン・ワイリー2世 [訳]近江美佐 [評者]出久根達郎」、『朝日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 世紀の名作はこうしてつくられた [著]エレン・F・ブラウン、ジョン・ワイリー2世 [訳]近江美佐 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年08月18日 [ジャンル]文芸 ■『風と共に来る』だったのかも 五百七十四頁(ページ)を、一気に読了した。読んでいる最中…

日記:インド・ネパール・アジアン料理「PICE PLACE(ピース・パレス)」

暑いときは、インドかタイのカレーに限るというのは、私だけの知恵ではなく、これはひょっとすると人類の叡智かも知れないと思いますので、久しぶりに、インドカレーでランチを頂戴しましたのでご紹介。西武新宿線小平駅南口からあるいてすぐそこにあるイン…

覚え書:「アメリカ経済財政史―1929-2009 [著]室山義正 [評者]水野和夫」、『朝日新聞』2013年08月18日(日)付。

- アメリカ経済財政史―1929-2009 [著]室山義正[評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年08月18日 [ジャンル]経済 ■建国理念の実現は中間層の肩に E・H・カーの「歴史は、現在と過去との対話である」という定義をうけ、清水幾太郎は「現…

覚え書:「戦艦ポチョムキンの生涯―1900-1925 [著]寺畔彦 [評者]保阪正康」、『朝日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 戦艦ポチョムキンの生涯―1900-1925 [著]寺畔彦[評者]保阪正康(ノンフィクション作家) [掲載]2013年08月18日 [ジャンル]文芸 ■数奇な運命辿った戦艦の素顔 最終頁(ページ)を閉じたあとに、なるほどこういう視点のこんな記述の書があるのか、との…

覚え書:「みんなの広場 はだしのゲン閲覧制限に疑問」、『毎日新聞』2013年08月22日(木)付。

- みんなの広場 はだしのゲン閲覧制限に疑問 無職 55(新潟県加茂市) この時期は戦争の悲惨さを学び、二度と繰り返さないよう心したいものだが、松江市で漫画「はだしのゲン」が悲惨すぎる、よろしくないと閲覧制限していたのには首をかしげた。同市教委が…

覚え書:「ミシンと日本の近代―消費者の創出 [著]アンドルー・ゴードン [訳]大島かおり [評者]渡辺靖」、『朝日新聞』2013年08月18日(日)付。

- ミシンと日本の近代―消費者の創出 [著]アンドルー・ゴードン [訳]大島かおり[評者]渡辺靖(慶応大学教授・文化人類学) [掲載]2013年08月18日■小さなモノに光、大きな歴史照射 米国の「知日派」というと、最近は外交・安全保障の専門家のみ注目されがちだが…

覚え書:「書評:自宅で楽しむ発電 中村 昌広 著」、『東京新聞』2013年8月18日(日)付。

- 自宅で楽しむ発電 中村 昌広 著2013年8月18日 ◆こつこつ電気手作り [評者]中野不二男=ジャーナリスト 今の世の中、電力の話になると行政批判と節電ばかりだ。どれも正論なのだが、それだけではどうも…。そんなとき、「電気の手作り」をやろうというこの…

研究ノート:反ユダヤ主義の反ナチズム闘争のヒーローという問題

- 問題はこのようなキリスト教揺籃期の受難物語の元説が、ヨーロッパ中のすべてのキリスト教徒を途方もないユダヤ人憎悪に追い込んでいったという事実にあるのですが、それがユダヤ人問題として急速に加速されたのは、イベリア半島におけるレコンキスタ(八…

覚え書:「書評:ベストセラーの世界史 フレデリック・ルヴィロワ 著 大原宣久・三枝大修ひろのぶ訳」、『東京新聞』2013年08月18日(日)付。

- ベストセラーの世界史 フレデリック・ルヴィロワ 著 大原宣久・三枝大修ひろのぶ訳2013年8月18日◆本がたどった驚きの運命 [評者]鷲尾賢也=評論家 四十年近い編集者生活であった。ただ残念ながら、一冊もミリオンセラーを生み出すことができなかった。し…

覚え書:「今週の本棚:堀江敏幸・評 『棕櫚の葉を風にそよがせよ 野呂邦暢小説集成1』=野呂邦暢・著」、『毎日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 今週の本棚:堀江敏幸・評 『棕櫚の葉を風にそよがせよ 野呂邦暢小説集成1』=野呂邦暢・著毎日新聞 2013年08月18日 東京朝刊 (文遊社・2940円) ◇何を失い、何を乗り越えたら今があるのか 心の内の濁りに眼(め)を凝らし、聞こえない音に耳を傾け、…

覚え書:「みんなの広場 原発事故の教えを受け止めよ」、『毎日新聞』2013年08月21日(水)付。

- みんなの広場 原発事故の教えを受け止めよ パート 65(大津市) 福島原発事故が発生して2年半近く。収束のめどどころか悪化の一途のようで、資産では放射性汚染水が少なくとも1日300トン海に流出しているという。漁業関係者の不安の高まりを思う時、…

覚え書:「今週の本棚:富山太佳夫・評 『地中海帝国の片影』=工藤晶人・著」、『毎日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 今週の本棚:富山太佳夫・評 『地中海帝国の片影』=工藤晶人・著毎日新聞 2013年08月18日 東京朝刊 (東京大学出版会・8190円) ◇旧フランス植民地の驚異的な史実 この本の副題『フランス領アルジェリアの19世紀』を眼(め)にしても、おッ、読んで…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『「新しい野の学問」の時代へ』 著者・菅豊さん」、『毎日新聞』2013年08月18日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『「新しい野の学問」の時代へ』 著者・菅豊さん毎日新聞 2013年08月18日 東京朝刊 (岩波書店・3360円) ◇被災地と研究者の関係を問う−−菅豊(すが・ゆたか)さん 2004年の新潟県中越地震の被災地、小千谷市東山地区で、牛の…