2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「引用句辞典 不朽版 反日暴動=鹿島茂」、『毎日新聞』2012年9月26日(水)付。

- 引用句辞典 不朽版 反日暴動 鹿島茂中国が日本並みのおとなしい国になる日 市庁舎へやってくる……今や私は目撃者だ。……彼[パリ市総監ペルチエ・ド・ソヴィニー]は尋問される。(中略)階段の踊り場にやってきたところで、せいぜい三十人ほどの一群れが囚…

これらの習慣がある特定の政治権力のために奉仕するからではなく、公共福祉のすぐれた原動力たりうる健全な習慣だから

- それゆえ、教育は、児童に対して、早くから次のことを認識させねばならない。すなわち歴史によって弾劾を受け、今日もなお受けつつある因襲的、人為的な限界のほかに、われわれ各人の人間性に深く根ざした、自然的な限界が存在するということである。それ…

覚え書:「異論反論 佐藤さん! 尖閣問題が加熱しています=佐藤優」、『毎日新聞』2012年9月26日(水)付。

- 異論反論 佐藤さん! 尖閣問題が加熱しています 寄稿 佐藤優日本は政府間対話を恐れるな 尖閣諸島問題をめぐる日中間の緊張を、このまま放置しておくと武力衝突につながりかねない。「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上からも明らか…

覚え書:「ひと:弱者、女性の視点でインドの環境保護運動を続ける バンダナ・シバさん」、『毎日新聞』2012年9月25日(火)付。

- ひと 弱者、女性の視点でインドの環境保護運動を続ける バンダナ・シバさん(59) Vandana Shiva 経済成長の一方で広がる貧富の格差や環境破壊ーー。さまざまな矛盾を抱えるインドで、貧しい人々や女性の視点に立って環境保護を訴えてきた。20年以上の運…

本来的な意味での〈語ること〉は、どんな対象よりも先に他人に対して口を開ける意味することであって、諸記号の交付ではない。

- 〈語ること〉、それは隣人に接近し、隣人に向けて「意味することの口を開く」ことである。このような〈語ること〉は、説話として〈語られたこと〉のうちに刻印される「意味の給付」に尽きるものではない。本来的な意味での〈語ること〉は、どんな対象より…

覚え書:「今週の本棚:『メディア文化とジェンダーの政治学』著者=田中東子さん」、『毎日新聞』2012年9月23日(日)付。

- メディア文化とジェンダーの政治学 世界思想社・2625円 著者 田中東子さん 「フェミニズム」という響きに一歩引いてしまう20〜30代女性は少なくない。自身も学生時代から持っていたというフェミニズムへの違和感を出発点に、1990年代後半から現在まで…

「思想の証なんていいたくない」けれども「毎日をエンジョイした方が利口だという考え方」でもありたくない

- 人をみて法を説けで、ぼくは十九世紀のロシアに生まれたら、あまり思想の証なんていいたくないんですよ。(中略)しかし、日本では、一般現象として観念にとりつかれる病理と、無思想で大勢順応して暮して、毎日をエンジョイした方が利口だという考え方と…

覚え書:「今週の本棚:藤森照信・評 『関東大震災と鉄道』=内田宗治・著」、『毎日新聞』2012年9月23日(日)付。

- 今週の本棚:藤森照信・評 『関東大震災と鉄道』=内田宗治・著 (新潮社・1785円) ◇被災当事者が残した「文字記録」が伝えるもの 震災からしばらくして、アメリカ大使は次のように語った。 「多くの日本人が、整然たる秩序の下に、鋭意跡始末に従事し…

歴史的・政治的現実に規定されているから、つまり、現実に政治が優位してるから、政治が優位すべきであるというんじゃなくて、政治が優位してるからこそ

- 人間の価値とは本来的に政治的人間ではない。(中略)〔それゆえ、政治にかかわる決断にさいしての〕価値基準は芸術とか学問とか、つまり政治的以外の価値基準の上に立って政治的選択をして行くという、パラドクシカルなものです。その意味で、政治の優位…

覚え書:「今週の本棚:鴻巣友季子・評 『世界文学を継ぐ者たち』=早川敦子・著」、『毎日新聞』2012年9月23日(日)付。

- 今週の本棚:鴻巣友季子・評 『世界文学を継ぐ者たち』=早川敦子・著 (集英社新書・798円) ◇五作家の「翻訳不可能性」に正面から向き合う 「アウシュヴィッツの後に、詩を書くことは野蛮である」というアドルノの言葉は、その後もしばしば言い換えら…

狭隘な軍国主義的運動のため、彼らが如何に敵愾心、憎悪心を助長せられ、精神生活の歪曲と低下とを余儀なくせられて居るかを思ふ時

- 静かに青少年教育の立場から考へて、狭隘な軍国主義的運動のため、彼らが如何に敵愾心、憎悪心を助長せられ、精神生活の歪曲と低下とを余儀なくせられて居るかを思ふ時、そゞろ戦慄を禁じ得ないものがある。某々事件を殊更に宣伝の材料にした映画、読物、…

覚え書:「今週の本棚:『被災した時間 3・11が問いかけているもの』=斉藤環・著」、『毎日新聞』2012年9月23日(日)付。

- 今週の本棚:『被災した時間 3・11が問いかけているもの』=斉藤環・著 (中公新書・840円) 精神科医にして批評家の著者が、昨年三月より各媒体の緊急のもとめに応じ、東日本大震災の被災と原発の問題をめぐり発表した、約一年間の発言と対談をおさめ…

書評:テリー・イーグルトン(大橋洋一訳)『宗教とは何か』青土社、2010年。

テリー・イーグルトン『宗教とは何か』青土社、読了。ユダヤ・キリスト教における「神」をめぐり、ドーキンスやヒッチンス等らの宗教を非科学的「妄想」として批判する科学的・合理主義的論難を快刀乱麻に斥ける。「およそ似つかわしくない人」による宗教が…

覚え書:「つながる:ソーシャルメディアと記者 ネット上の知識を書籍化=石戸諭」、『毎日新聞』2012年09月22日(土)付。

- つながる:ソーシャルメディアと記者 ネット上の知識を書籍化=石戸諭 今月末、一冊の本が書店に並ぶ。学習院大の田崎晴明教授(理論物理学)が書いた「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」(朝日出版社、1050円)だ。問題が多岐…

覚え書:「20世紀遺跡:近現代史をめぐる/26 福島県石川町・ウラン採掘場」、『毎日新聞』2012年09月19日(水)付。

- 20世紀遺跡:近現代史をめぐる/26 福島県石川町・ウラン採掘場 ◇幻の“原爆”開発 太平洋戦争末期、アメリカは広島と長崎に原爆を投下し、非戦闘員を含む多くの人々を焼き尽くした。その蛮行は人類史に刻印されなければならない。一方で、大日本帝国も原…

アマチュアというのは、社会のなかで思考し憂慮する人間のことである。

- アマチュアリズムとは、文字通りの意味をいえば、利益とか利害に、もしくは狭量な専門的観点にしばられることなく、憂慮とか愛着によって動機づけられる活動のことである。 現代の知識人は、アマチュアたるべきである。アマチュアというのは、社会のなかで…

覚え書:「異論反論 節目の年に日中関係が緊迫しています=木戸久枝」、『毎日新聞』2012年9月19日(水)付。

- 異論反論 節目の年に日中関係が緊迫しています 両国関係と文化交流は別 寄稿 木戸久枝 今月29日、日中国交正常化40周年を迎える。本来ならお祝いムードに包まれてもいいはずだが、実際には緊迫した空気が日中間に漂っている。 11日、政府は尖閣諸島の3島…

学んだことを忘れてゆくという経験。自分が経てきたさまざまな知や文化や信念の堆積に、忘却がほどこす予期しない手直しを自由におこなわせてゆくということ。

- ミシュレは、五一歳のとき、新たな人生(vita nuova)を始めた。新たな仕事、新たな恋愛を始めた。私は彼よりも年をとっている(この比較が親愛の情から出ていることはわかっていただけよう)が、私もまた今日、この新たな場所で、この新たな厚遇によって…

覚え書:「今週の本棚:沼野充義・評 『謎とき「悪霊」』=亀山郁夫・著」、『毎日新聞』2012年09月16日(日)付。

- 今週の本棚:沼野充義・評 『謎とき「悪霊」』=亀山郁夫・著 (新潮選書・1785円) ◇原作と張り合う「偶像破壊」的な集大成 『謎とき「悪霊」』は、『カラマーゾフの兄弟』の新訳によって「古典新訳ブーム」に火を付けた亀山郁夫氏による、本格的な『…

南方は集合名詞として人々をとらえなかった。あらゆる職業の人々と、個人としてのつきあいを重んじた

- 第一に、「地域」または「地方」に対する双方の感覚の差である。 南方は、定住者の立場から、地域を見た。柳田は、農政学者として、農政役人として、そして旅人として地域を見た。南方は、地方にいて地方から中央を見、柳田は中央にいて中央から地方を見た…

覚え書:「今週の本棚:池澤夏樹・評 『気仙川』=畠山直哉・著」、『毎日新聞』2012年09月16日(日)付。

- 今週の本棚:池澤夏樹・評 『気仙川』=畠山直哉・著 (河出書房新社・3360円) ◇「あの日」で分断された二つの時間をたどる旅 たとえば、入学試験の結果を見に行くとする。 結果はもう出ている。紙に書かれ、なんどもチェックされ、貼り出されるのを待…

覚え書:「田中正造:再び注目される思想 足尾銅山事件と福島原発事故の類似性」、『毎日新聞』2012年09月17日(月)付。

- 田中正造:再び注目される思想 足尾銅山事件と福島原発事故の類似性 日本初の公害とされる足尾銅山鉱毒事件の解決に奔走した政治家、田中正造(1841−1913年)が亡くなって来年でちょうど100年。鉱毒事件と東京電力福島第1原発事故の類似性に着…

覚え書:「今週の本棚:伊東光晴・評 『ピグー 富と厚生』=A・C・ピグー著」、『毎日新聞』2012年09月16日(日)付。

- 今週の本棚:伊東光晴・評 『ピグー 富と厚生』=A・C・ピグー著 (名古屋大学出版会・7140円) ◇信念と思想の全体像をコンパクトに 一九世紀末から二〇世紀にかけて、世界の経済理論の中心はイギリスであり、ケンブリッジ大学のマーシャルの『経済学…

「山から銅を採って、日本の国を豊にするのは、確かに大切なことでありましょう。だが、そのために多くの農民をぎせいにすることは、絶対に許されませぬ」。

- こうして、二十年余りも足尾銅山の鉱毒と戦い、つかれ果てた正造は、一九一三年(大正二年)の八月二日、立ち寄った栃木県吾妻村の農家で突然たおれた。そして、心配して集まってきた人々に、正造は、 「わしの命を気づかう代わりに、みんなが心を一つにし…

覚え書:「日中歴史から考える 満州事変81年 (中) 成田龍一氏」、『毎日新聞』2012年9月16日(日)付。

- 日中歴史から考える 満州事変81年 (中) 日本女子大教授(近現代日本史)成田龍一氏政党政治、閉塞感に策無く 満州事変(1931年)は、「大日本帝国」にとっての決定的な分かれ道だった。1920年代後半、普通選挙が実施されるにいたり、政党は人々…

書評:吉田敏浩『赤紙と徴兵―105歳、最後の兵事係の証言から』彩流社、2011年。

一兵事係が密かに残した記録から実体を精査する一冊。村役人の兵事係は赤紙配達だけでなく、対象の資質・技能も平時から調査し、死後は戦死報告も。末端の苦悩から浮かび上がる恐るべき生−権力。決して過去の話ではない。著者が取り上げる兵事係の西邑さん(…

覚え書:「時流底流 中止になった写真展」、『毎日新聞』2012年9月15日(土)付。

- 時流底流 中止になった写真展 ニコンが運営している展示施設「大阪ニコンサロン」(大阪市北区)が現在休館中だ。本来なら、今月13日から19日まで、韓国人写真家の安世鴻(アンセンホン)さん=名古屋市在住=が撮影した元朝鮮人従軍慰安婦の写真展が開催…

偏狭主義ね。でも私が見付けた対処の仕方は−−これはけっして、みなには勧めません−−コスモポリタンになるのではなく、多くの家を見付つけるというものです。

- −−ちょうどこの話をしているのでお聞きします。現在、偏狭主義(パロキアリズム)を思わせるムードが爆発的に広がっていますか。イラク戦争後数ヵ月たって、大学ではどうですか。 合衆国のことですか。大学ではそれほどでもないです。でもだれもわれわれに…

覚え書:「記者の目:トルコなどへの原発輸出=花岡洋二」、『毎日新聞』2012年09月13日(木)付。

- 記者の目:トルコなどへの原発輸出=花岡洋二 東京電力福島第1原発の事故後、政権の座に就いた野田佳彦首相は、国内の「脱原発依存」を表明する一方で、国外へは原発を輸出する方針の継続を打ち出した。しかし、その輸出先の有力候補であるトルコとヨルダ…

覚え書:「みんなの広場 オスプレイの安全性に疑問」、『毎日新聞』2012年9月13日(木)付。

- みんなの広場 オスプレイの安全性に疑問 高校生 17(岩手県花巻市) 山口県岩国市にオスプレイが搬入された。地元の人のインタビューで「基地があるから仕方がない」と話しているニュースを見た。これは、地元の苦しみが凝縮された言葉だと受け止めた。積…