2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「今週の本棚:若島正・評 『粋人粋筆探訪』=坂崎重盛・著」、『毎日新聞』2013年07月28日(日)付。

- 今週の本棚:若島正・評 『粋人粋筆探訪』=坂崎重盛・著 毎日新聞 2013年07月28日 東京朝刊 (芸術新聞社・2520円) ◇忘れさられた“遊び心の時代”を逍遥する 古本屋巡りをするおもしろさの一つは、気の向くままに雑本を買っていると、いつしかそれが何…

覚え書:「今週の本棚:湯川豊・評 『真珠湾収容所の捕虜たち』=オーテス・ケーリ著」、『毎日新聞』2013年07月28日(日)付。

- 今週の本棚:湯川豊・評 『真珠湾収容所の捕虜たち』=オーテス・ケーリ著 毎日新聞 2013年07月28日 東京朝刊 (ちくま学芸文庫・1470円) ◇米情報将校が捉えた“捕虜である友人”の群像 一九四二年に米海軍日本語学校に入学、一年後、海軍少尉としてハワ…

書評:上山隆大ほか『大学とコスト 誰がどう支えるのか』岩波書店、2013年。

上山隆大ほか『大学とコスト 誰がどう支えるのか』岩波書店、読了。教育費は本人(とその家族)が支払うべきという風潮が根強い。しかし個人負担の考え方はどうやら世界標準とは考えにくい。本書は、日本の「大学とコスト」を巡る現状について、その歴史と政…

覚え書:「今週の本棚・本と人:『東京国立博物館の名品でたどる 書の美』 著者・島谷弘幸さん」、『毎日新聞』2013年07月28日(日)付。

- 今週の本棚・本と人:『東京国立博物館の名品でたどる 書の美』 著者・島谷弘幸さん 毎日新聞 2013年07月28日 東京朝刊 (毎日新聞社・2415円) ◇書は読めなくても楽しめる−−著者・島谷弘幸(しまたに・ひろゆき)さん 毎日新聞日曜版の連載「書の美」…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』=大田俊寛・著」、『毎日新聞』2013年07月28日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『現代オカルトの根源 霊性進化論の光と闇』=大田俊寛・著 毎日新聞 2013年07月28日 東京朝刊 (ちくま新書・840円) 憎悪発言(ヘイトスピーチ)デモから一部の脱原発運動、政治家の「慰安婦」発言まで、「自分たちが純粋な被害者/…

書評:ラッセル・スタナード(新田英雄訳)『相対性理論 常識への挑戦』丸善出版、2013年。

ラッセル・スタナード『相対性理論 常識への挑戦』丸善出版、読了。本書はオックスフォード大学出版局より刊行のVery Short Introductionシリーズの一冊。特殊相対性理論と一般相対性論を中学生でもわかるように分かり易く解説することに挑戦した一冊(新書…

覚え書:「もうひとつのこの世―石牟礼道子の宇宙 [著]渡辺京二」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- もうひとつのこの世―石牟礼道子の宇宙 [著]渡辺京二 [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 『苦海浄土』が作品としてまとまる過程に編集者として立ち合った著者は、当初から「傑作」であることを確信し、1969年からは石牟礼が書く原…

覚え書:「深海魚ってどんな魚―驚きの形態から生態、利用 [著]尼岡邦夫 [評者]荒俣宏」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 深海魚ってどんな魚―驚きの形態から生態、利用 [著]尼岡邦夫 [評者]荒俣宏(作家) [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]科学・生物 ■大人の世界観、揺さぶる図鑑 ただの子ども向け学習図鑑と思ってはいけない。これは大人も驚かす本である。 これまでの深海魚本…

覚え書:「日中文化交流シンポ:来月2、3日開催−−大崎・吉野作造記念館 /宮城」、『毎日新聞』2013年07月27日(土)付、地方版。

- 日中文化交流シンポ:来月2、3日開催−−大崎・吉野作造記念館 /宮城 毎日新聞 2013年07月27日 地方版 大崎市古川の「吉野作造記念館」は8月2、3日、同館で日中文化交流シンポジウム「吉野作造と近代中国」を開く。北京外国語大の郭連友教授ら中国の4…

覚え書:「『大菩薩峠』を都新聞で読む [著]伊東祐吏 [評者]出久根達郎」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 「大菩薩峠」を都新聞で読む [著]伊東祐吏 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]歴史 ■大長編の謎に迫り、問題提起 『大菩薩峠(だいぼさつとうげ)』という長篇(ちょうへん)小説をご存じだろうか。文庫で全二十巻もある。大衆小説の…

覚え書:「江戸の風評被害 [著]鈴木浩三 [評者]三浦しをん」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 江戸の風評被害 [著]鈴木浩三 [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]歴史 ■うわさの陰に思惑がうごめく テレビやインターネットがない時代は、情報の伝達速度が遅いし、そのぶん噂(うわさ)も広まりにくかったのではないか、と漠然と思…

文の人(オーム・ド・レットル)・高崎隆治先生の思い出

金曜にその話を聞いて驚いたのだけど、戦時下ジャーナリズム研究家の高崎隆治先生が先月末に88歳で亡くなったそうです。慎んでご冥福をお祈り申し上げます。年賀状のやりとりしかなく、無沙汰を囲っていたのですが、前日まで執筆されていたとか。戦中を知…

覚え書:「私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史 [著]諸富徹 [評者]原真人」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史 [著]諸富徹 [評者]原真人(本社編集委員) [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]政治 ■税制の歴史から国家を考える 日本の税収は経済規模に比べて小さく、先進国最小の政府だ。そして日本は最も増税できない国で…

覚え書:「進化するアカデミア―「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来 [著]江渡浩一郎・ニコニコ学会β実行委員会 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 進化するアカデミア―「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来 [著]江渡浩一郎・ニコニコ学会β実行委員会 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]文芸 政治 ■学会ネット中継、視聴者も参加 研究者が集う学会は創造性を加速させる場として古…

病院日記(6) ちょっとしたぼやき

なんというか、結局、看護助手の仕事は、医師や看護師と違って責任はないので気楽な仕事で、汗を流せば済むから、楽と言えば楽なのだけど、やっぱり体力勝負なので疲れる。特に、下の世話なんかをしていると、時々、「ああ、おれ、何やってンだろう」っても…

覚え書:「四つの小さなパン切れ [著]マグダ・オランデール=ラフォン [評者]赤坂真理」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 四つの小さなパン切れ [著]マグダ・オランデール=ラフォン [評者]赤坂真理(作家) [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝 ■対岸の傷ではない痛みの記憶 年齢を問われ16歳を18歳と言ったマグダは「ならば右!」。母親と妹は「な…

覚え書:「世界を回せ(上・下) [著]コラム・マッキャン [評者]小野正嗣」、『朝日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 世界を回せ(上・下) [著]コラム・マッキャン [評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授) [掲載]2013年07月21日 [ジャンル]文芸 ノンフィクション・評伝 ■綱渡りへの視線、境遇越えつなぐ 1974年8月7日の早朝、マンハッタンの今はなき世界貿易セン…

覚え書:「みんなの広場 多様性を認める国に」、『毎日新聞』2013年07月17日(水)付。

- みんなの広場 多様性を認める国に自営業 57(岐阜県高山市) 東京・新大久保の在日コリアン排斥でものニュースにはとてもショックを受けました。人は大なり小なり偏見と理不尽な差別的意見を持っていますが、自分のそんな部分を胸に納めていればいいことで…

覚え書:「書評:2011 危うく夢見た一年 スラヴォイ・ジジェク 著 長原豊 訳」、『東京新聞』2013年07月21日(日)付。

- 2011 危うく夢見た一年 スラヴォイ・ジジェク 著 長原豊 訳 2013年7月21日 ◆抗議し始めた人々 [評者]平井玄=批評家 「最良の者たちがことごとく信念を見失い、最悪の者たちが並々ならぬ情念に満ち溢(あふ)れている」という詩人イェーツの言葉を、…

覚え書:「書評:海を渡った人類の遥かな歴史 ブライアン・フェイガン著 東郷えりか 訳」、『東京新聞』2013年07月21日(日)付。

- 海を渡った人類の遥かな歴史 ブライアン・フェイガン著 東郷えりか 訳 2013年7月21日 ◆太古の航海 その理由探る [評者]関野吉晴=探検家 大航海時代、世界一周の途中で客死したマゼランの航海を描いたツバイクの『マゼラン』は秀逸だった。現代に比べて…

他の人に考えてもらうことを辞めることと、ほんの少しの想像力。

1年生の倫理学の講義が水曜日にて終わりました。いろいろとお話をしましたが、結局は他の人に考えてもらうことを辞めることと(勿論「自分で考える」と言ってもそれは孤立した私ではないのだけど)、ほんの少しでいいから想像力を持ちあわせることに尽きる…

覚え書:「書評:周五郎伝 虚空巡礼 齋藤愼爾 著」、『東京新聞』2013年07月21日(日)付。

- 周五郎伝 虚空巡礼 齋藤愼爾 著 2013年7月21日 写真 ◆愛着と反発が照らす実像 [評者]高橋敏夫=文芸評論家 山本周五郎ファンには、まことに不快な書かもしれない。半可通のファンは近づくな。しかしこの書がつきつける不快さを避ければ、本当のファンに…

覚え書:「今週の本棚:加藤陽子・評 『情報覇権と帝国日本1 海底ケーブルと通信社の誕生』=有山輝雄・著」、『毎日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 今週の本棚:加藤陽子・評 『情報覇権と帝国日本1 海底ケーブルと通信社の誕生』=有山輝雄・著 毎日新聞 2013年07月21日 東京朝刊 (吉川弘文館・4935円) ◇国際情報戦の実態に迫る本格的通史 戦争が始められる直前、あるいは直後になされる敵への動…

書評:開沼博『漂白される社会』ダイヤモンド社、2013年。

- ……圧倒的に理解できない現象があった時、少なからぬ人は、「絶対悪」としてでっち上げた「理解できないもの」を過剰に批判し、過剰に感傷に浸ってみせる。理解していないにもかかわらず。「理解できないもの」を理解したつもりになり、ひたすら。 そして、…

覚え書:「今週の本棚:沼野充義・評 『神童のための童話集』=S・クルジジャノフスキィ著」、『毎日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 今週の本棚:沼野充義・評 『神童のための童話集』=S・クルジジャノフスキィ著 毎日新聞 2013年07月21日 東京朝刊 (河出書房新社・2940円) ◇20世紀の奇想、不条理を映す「怪作」 ロシアは奥深い文学の国だ、とつくづく思わされることがある。いま…

覚え書:「今週の本棚:中村桂子・評 『世界の技術を支配するベル研究所の興亡』=ジョン・ガートナー著」、『毎日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 今週の本棚:中村桂子・評 『世界の技術を支配するベル研究所の興亡』=ジョン・ガートナー著 毎日新聞 2013年07月21日 東京朝刊 (文藝春秋・2520円) ◇情報革命の礎を築いた「驚異の組織」の秘密 ビル・ゲイツが「タイムマシンに乗ることがあったら、…

書評:朝日新聞西部本社編『対話集 原田正純の遺言』岩波書店、2013年。

朝日新聞西部本社編『対話集 原田正純の遺言』岩波書店、読了。人間の命と尊厳を脅かす事象に医師として半世紀以上取り組み、昨年亡くなった原田さん。本書は、一周忌に合わせて出版された対話集。対話者は石牟礼道子さんほか患者や記者など15名。著作は多…

覚え書:「今週の本棚:幸福の遺伝子=リチャード・パワーズ・著」、『毎日新聞』2013年07月21日(日)付。

- 今週の本棚:幸福の遺伝子 リチャード・パワーズ・著(新潮社・2940円) たとえば、同じ猛暑の環境にいても、体感温度は人それぞれ。人間の幸福度もそれとちょっと似ているかもしれない。そして結局は「体感幸福度」が高ければ、いくら物理的な条件が…

覚え書:「黒船来航―日本語が動く [著]清水康行」、『朝日新聞』2013年07月14日(日)付。

- 黒船来航―日本語が動く [著]清水康行 [掲載]2013年07月14日 [ジャンル]歴史 幕末、諸外国との外交交渉に臨んだ日本。近代西洋の論理に直面し、条約文をまとめる際には新たな単語や構文法を開発しなければならない場面もあった。「日米和親条約」などの文章…

ネット選挙解禁雑感:選挙にふさわしい投票スタイル等々……

ネット選挙解禁って、誰もが自身の正義を相互確認するというのではなくして、とにかくそれを押しつけ合い合戦の平行線を追及する騒音にしか聞こえない。(伝統的な哲学の価値論の概念にすら取り込まれない下位概念としての)うさんくさい「正義」なるものを…