2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「書評:友 臼井吉見と古田晁と 柏原 成光 著」、『東京新聞』2014年01月26日(日)付。

- 友 臼井吉見と古田晁と 柏原 成光 著 2014年1月26日 ◆全集当たり起死回生 [評者]森彰英=ジャーナリスト 価値ある本を出し続けてきた筑摩書房の創業者とその協力者の評伝である。半世紀余り前の知的エリートの物語でありながら、今も心を揺さぶられるベ…

覚え書:「書評:忠臣蔵まで「喧嘩」から見た日本人  野口 武彦 著」、『東京新聞』2014年01月26日(日)付。

- 忠臣蔵まで「喧嘩」から見た日本人 野口 武彦 著 2014年1月26日 ◆諍いの文化の源流たどる [評者]伊東潤=作家 元禄時代は、天下泰平の気運(きうん)が精神的にも物質的にも日本の隅々まで行き渡った時代だった。そんな時代に、忠臣蔵で有名な赤穂事件は…

覚え書:「書評:私の文学遍歴 秋山 駿 著」、『東京新聞』2014年01月26日(日)付。

- 私の文学遍歴 秋山 駿 著 2014年1月26日 ◆人の内面を深く探る批評 [評者]富岡幸一郎=文芸評論家 昨年十月二日夜半、秋山駿は八十三歳で逝去した。これは雑誌「二十一世紀文学」などに掲載され、作家の岳真也の取材に応えた語りをまとめた本であり遺作と…

覚え書:「暮らしの明日 私の社会保障論 原発事故にどう応える 都知事選の歴史的意義=湯浅誠」、『毎日新聞』2014年01月29日(水)付。

- 暮らしの明日 私の社会保障論 原発事故にどう応える 都知事選の歴史的意義 湯浅誠 社会活動家 人類史に残る東京電力福島第1原発事故以降、1000万人の有権者が1人を選出するという国内最大のメガ選挙で、初めて原発について審判が下る−−。東京都知事…

覚え書:「風知草:思考停止から抜け出せ=山田孝男」、『毎日新聞』2014年01月27日(月)付。

- 風知草:思考停止から抜け出せ=山田孝男 毎日新聞 2014年01月27日 東京朝刊 「原発ゼロ」は東京都知事選(2月9日)の争点にふさわしいか−−。 世論は歩み寄りの余地がないほど割れているが、先週末、近所の映画館で遅ればせながら見た映画「ハンナ・アー…

覚え書:「今週の本棚・この3冊:人生=山田太一・選」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚・この3冊:人生=山田太一・選 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 <1>オリーヴ・キタリッジの生活(エリザベス・ストラウト著、小川高義訳/ハヤカワepi文庫/987円) <2>老残/死に近く 川崎長太郎老境小説集(川崎長太郎著/講談…

覚え書:「今週の本棚:辻原登・評 『露出せよ、と現代文明は言う』=立木康介・著」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚:辻原登・評 『露出せよ、と現代文明は言う』=立木康介・著 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 (河出書房新社・2520円) ◇現代にあらがう「心の闇」への崇高な冒険 DVDで小津の「東京物語」や黒澤の「七人の侍」、ヒチコックの「疑惑の…

書評:エドウィージ・ダンティカ(佐川愛子訳)『地震以前の私たち、地震以後の私たち それぞれの記憶よ、語れ』作品社、2013年。

- 危険を冒して創作する、危険を冒して読む人びとのために。これが、作家であることの意味だと私が常々思ってきたことだ。自分の言葉がたとえどんなに取るに足らないものに思えても、いつか、どこかで、だれかが命を賭けて読んでくれるかもしれないと頭のど…

覚え書:「今週の本棚:張競・評 『辺境から訪れる愛の物語 沈従文小説選』=沈従文・著」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚:張競・評 『辺境から訪れる愛の物語 沈従文小説選』=沈従文・著 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 ◇『辺境から訪れる愛の物語 沈従文(しんじゅうぶん)小説選』 (勉誠出版・2940円) ◇水彩画のように描かれた異なる習俗の恋 近代中国の…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『西行全歌集』=久保田淳・吉野朋美校注」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『西行全歌集』=久保田淳・吉野朋美校注 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 (岩波文庫・1323円) 西行(佐藤義清(のりきよ))は、平清盛と同じ一一一八年に生まれ、鳥羽上皇に仕えた北面の武士であったが、二十三歳で出家した。…

覚え書:「みんなの広場 頭をよぎった大本営発表」、「みんなの広場 特攻、その非人間性に怒り」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- みんなの広場 頭をよぎった大本営発表 元理髪業・88(山口県宇部市) 終戦の時二十歳でした。玉音放送をラジオで聞いた時、戦争に負けたことより、解放感の方を強く感じました。戦争は勝つと信じていました。ラジオ放送の「大本営発表」で日本軍は常に優…

日記:民本主義のアクチュアリティ

- すなわち、大逆事件以来、「我国でアナーキズムと云へば直ちに飛んでもない大それた事を計画する反逆人のやうに思ひ做さるるを常とする」が、そういう「破壊の為に破壊を事とする」ような「消極的アナーキズム」以来に「積極的アナーキズム」といえるもの…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『独裁者に原爆を売る男たち 核の世界地図』=会川晴之・著」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『独裁者に原爆を売る男たち 核の世界地図』=会川晴之・著 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 (文春新書・935円) 日米両国がモンゴルで進めていた核廃棄物処分場計画スクープなどでボーン・上田記念国際記者賞を受賞した毎日新聞記…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『福祉と贈与 全身性障害者・新田勲と介護者たち』=深田耕一郎・著」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『福祉と贈与 全身性障害者・新田勲と介護者たち』=深田耕一郎・著 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 (生活書院・2940円) 全身性障害者、故新田勲を7年半介護してきた研究者が、広い意味での「福祉」のあり方を論じた。現場の生…

覚え書:「今週の本棚:三浦雅士・評 『近代世界システム 1−4』=I・ウォーラーステイン著」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚:三浦雅士・評 『近代世界システム 1−4』=I・ウォーラーステイン著 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 (名古屋大学出版会・各5040円) ◇資本主義はなぜ、格差と貧困を生み続けるのか 高所から俯瞰(ふかん)してはじめて意味をもって見…

覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:政府の情報隠し、暴走危惧−−次女をシリアで失った元記者・山本孝治さん」、『毎日新聞』2014年01月25日(土)付。

- 特定秘密保護法に言いたい:政府の情報隠し、暴走危惧−−次女をシリアで失った元記者・山本孝治さん 毎日新聞 2014年01月25日 東京朝刊 ◇山本孝治さん(78) 1945年3月、9歳だった私は大阪郊外の長尾(大阪府枚方市)に疎開していた。大阪大空襲で街…

覚え書:「引用句時点 トレンド編 [指導者とは]国民を引きつける威信と個性あるか」、『毎日新聞』2014年01月25日(土)付。

- 引用句辞典 トレンド編 国民を引き付ける 威信と個性あるか 鹿島茂[指導者とは] ギリシャ神話のアポロは、カサンドラに先見能力を授けた。だが同時に、彼女の予言を聞く人が、だれ一人それを信じないよう、呪いを吹きかけた。ドゴールも、先見力だけでは…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『過労死は何を告発しているか』=森岡孝二・著」、『毎日新聞』2014年01月26日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『過労死は何を告発しているか』=森岡孝二・著 毎日新聞 2014年01月26日 東京朝刊 (岩波現代文庫・1302円) ◇隠された三六協定、サービス残業の実態に迫る 「二四時間戦えますか」。ご記憶の方も多いであろう。あるドリンク…

覚え書:「物語 岩波書店百年史1〜3 [著]紅野謙介・佐藤卓己・苅部直」、『朝日新聞』2014年01月19日(日)付。

- 物語 岩波書店百年史1〜3 [著]紅野謙介・佐藤卓己・苅部直 [掲載]2014年01月19日 [ジャンル]歴史 昨年創業100年を迎えた老舗出版社の歴史は、「教養」をめぐる近代日本史でもある。岩波文庫の創刊(1927年)は、教養をだれでも手にできるものに…

覚え書:「みんなの広場 寒空の下、原発作業員の思いは」、『毎日新聞』2014年01月23日(木)付。

- みんなの広場 寒空の下、原発作業員の思いは 無職・63(滋賀県湖南市) 本紙の連載企画「青い鳥を追って」の最終回「原発から五輪特需の東京へ」を読み、なんともやるせない思いがした。 廃炉作業が本格化した福島第1原発で作業を請け負う会社の社長に…

覚え書:「記者の目:『当事者研究』の可能性=山寺香(生活報道部)」、『毎日新聞』2014年01月24日(金)付。

- 記者の目:「当事者研究」の可能性=山寺香(生活報道部) 毎日新聞 2014年01月24日 東京朝刊 ◇「個の違い」分断を共感へ 「当事者研究」をご存じだろうか。 精神障害や発達障害などの当事者が、同じ障害の仲間と自分たちの症状を研究する。自分が抱える漠…

覚え書:「浸透する教養―江戸の出版文化という回路 [編]鈴木健一 [評者]荒俣宏(作家)」、『朝日新聞』2014年01月19日(日)付。

- 浸透する教養―江戸の出版文化という回路 [編]鈴木健一 [評者]荒俣宏(作家) [掲載]2014年01月19日 [ジャンル]人文 ■庶民も図像で読みこなす 日本人は難しい話を図像化して理解する、と幕末期に長崎医学伝習所で医学を教えたオランダ海軍軍医ポンペも驚いて…

覚え書:「うな丼の未来―ウナギの持続的利用は可能か [編]東アジア鰻資源協議会日本支部 [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター)」、『朝日新聞』2014年01月19日(日)付。

- うな丼の未来―ウナギの持続的利用は可能か [編]東アジア鰻資源協議会日本支部 [評者]内澤旬子(文筆家・イラストレーター) [掲載]2014年01月19日 [ジャンル]科学・生物 ■絶滅に瀕した稀少種どう食べる ついこの前までスーパーの惣菜(そうざい)コーナーに…

覚え書:「みんなの広場 なぜ靖国へ強行参拝するのか」、『毎日新聞』2014年01月23日(木)付。

- みんなの広場 なぜ靖国へ強行参拝するのか 無職 77(長崎市) 政治家による靖国神社参拝を、諸外国とのあつれきから批判するマスコミ記事が多い。その中、我が国に甚大な被害をもたらした当時の政治指導者が合祀されている神社に参拝することは問題だとし…

日記:戦時下の国民は、軍部に強制されて戦争に協力するほかなかったのか。そうではなかった。

- 戦時下の国民は、軍部に強制されて戦争に協力するほかなかったのか。そうではなかった。それが証拠に斉藤は、二年後の翼賛選挙において、非推薦の候補ながら、兵庫五区からトップ当選を果たしている。斉藤は軍部の政治介入よりも政党の「無気力」をより強…

覚え書:「「流域地図」の作り方―川から地球を考える [著]岸由二 [評者]川端裕人(作家)」、『朝日新聞』2014年01月19日(日)付。

- 「流域地図」の作り方―川から地球を考える [著]岸由二 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2014年01月19日 ■人工的境界、取り払ってみると 昨夏の日本は高温多雨で、台風も多かった。水の被害も相次いだ。その際、警報などの範囲が市区町村であることに違和感を抱…

覚え書:「ひとりの体で(上・下) [著]ジョン・アーヴィング [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)」、『朝日新聞』2014年01月19日(日)付。

- ひとりの体で(上・下) [著]ジョン・アーヴィング [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター) [掲載]2014年01月19日 [ジャンル]文芸 ■過去形の甘さを引き出した傑作 アメリカを代表する作家アーヴィングの長編がコンスタントに書かれ続けている。 今回は…

覚え書:「国境〔完全版〕 [著]黒川創 [評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授)」、『朝日新聞』2014年01月19日(日)付。

- 国境〔完全版〕 [著]黒川創 [評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授) [掲載]2014年01月19日 [ジャンル]歴史 文芸 ■いかなる線からも自由な視線で 読めば、作品ひいては世界への向き合い方に靴に砂でも入ったみたいな違和が生じ、各自に足下を見直させる…

覚え書:「特定秘密保護法に言いたい:報道の自由、読者と共に守れ−−ジャーナリスト・むのたけじさん」、『毎日新聞』2014年01月23日(木)付。

- 特定秘密保護法に言いたい:報道の自由、読者と共に守れ−−ジャーナリスト・むのたけじさん 毎日新聞 2014年01月23日 東京朝刊(写真キャプション)ジャーナリスト・むのたけじ氏=東京・内幸町の日本記者クラブで1月14日、臺宏士撮影 ◇むのたけじさん(…

覚え書:「福島第一原発観光地化計画 [編]東浩紀 [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授)」、『朝日新聞』2014年01月19日(日)付。

- 福島第一原発観光地化計画 [編]東浩紀 [評者]隈研吾(建築家・東京大学教授) [掲載]2014年01月19日 [ジャンル]社会 ■「ここにあるもの」と向き合う 表紙を見ただけで時代の大きな転換を感じずにいられなかった。震災、原発事故で大きなダメージを受けた福島…