2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「プライドの社会学―自己をデザインする夢 [著]奥井智之 [評者]水無田気流」、『朝日新聞』2013年06月23日(日)付。

- プライドの社会学―自己をデザインする夢 [著]奥井智之 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年06月23日 [ジャンル]社会 ■所属の不安定化で源泉がゆらぐ プライドとは、個人的な満足によるものなのだろうか。それとも、社会的な評価を要するものな…

覚え書:「海を渡った人類の遥かな歴史―名もなき古代の海洋民はいかに航海したのか [著]ブライアン・フェイガン [評者]角幡唯介」、『朝日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 海を渡った人類の遥かな歴史―名もなき古代の海洋民はいかに航海したのか [著]ブライアン・フェイガン [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) [掲載]2013年06月23日 [ジャンル]歴史 ■冒険性を否定する、人と海との親密さ 人間の住む世界から遠く離…

書評:朴三石『知っていますか、朝鮮学校』岩波ブックレット、2013年。

朴三石『知っていますか、朝鮮学校』岩波ブックレット、読了。私たちはどれだけ朝鮮学校について知っているのだろうか。先ずは「事実を知ること」。そのことで誤解は解消される。本書は著者が大学で行った講義と学生の感想をもとに構成し、朝鮮学校に関する…

覚え書:「書評:統合の終焉―EUの実像と論理 [著]遠藤乾 [評者]渡辺靖」、『朝日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 統合の終焉―EUの実像と論理 [著]遠藤乾 [評者]渡辺靖(慶応大学教授・文化人類学) [掲載]2013年06月23日 [ジャンル]国際 ■柔軟で奥深い多面的な政治体 昨秋、欧州連合(EU)加盟国の対外文化機関の連合体であるEUNICの本部(ブリュッセル)を訪れ…

覚え書:「書評:青い花 辺見庸 著」、『東京新聞』2013年06月23日(日)付。

- 青い花 辺見庸 著 2013年6月23日 ◆大災厄をさまよう魂 [評者]横尾和博=文芸評論家 本書は現代の「黙示録」だ。文学はイメージであり、ビジョンである。瓦礫(がれき)と廃墟(はいきょ)をこれほどまでに鮮やかに、激しく描いた作品を私はほかに知らな…

書評:イーヴァル・ロー=ヨハンソン(西下彰俊、渡辺博明、兼松麻紀子訳)『スウェーデン 高齢者福祉改革の原点 ルポルタージュからの問題提起』新評論、2012年。

本書はスウェーデンの老人ホームの現状を批判したヨハンソンの古典的名著『スウェーデンの高齢者』(52年)、『老い』(49年)を翻訳・収録した一冊。原著の写真も一部が収録されている。高福祉で有名な北欧だがはじめからそうであったわけではない。そ…

覚え書:「書評:近代農業思想史 祖田修 著」、『東京新聞』2013年6月23日(日)付。

- 近代農業思想史 祖田修 著 2013年6月23日 ◆生き方まで問われる農学 [評者]玉真之介=徳島大教授 農業は、市場経済の言いなりになることを拒んできた存在かもしれない。いつの時代でも強くはないが、人に生き方を問うてきた。本書は、そんな農業・農学の…

覚え書:「書評:褐色の世界史 第三世界とはなにか ヴィジャイ・プラシャド 著」、『東京新聞』2013年6月23日(日)付。

- 褐色の世界史 第三世界とはなにか ヴィジャイ・プラシャド 著 2013年6月23日 写真 ◆支配、暴力を克服する運動 [評者]早尾貴紀=東京経済大専任講師・社会思想史 本書は、第三世界論を二十一世紀に呼び戻す試みだ。「第三世界」と言えば、今ではたいてい…

覚え書:「みんなの広場 許せるわけがない 高市発言」、『毎日新聞』2013年06月24日(月)付。

- みんなの広場 許せるわけがない 高市発言 農業 64(福島県桑折町)批判を浴びたために撤回し、謝罪したからといって発言した事実が消えるわけではない。「原発事故で死亡者が出ている状況ではない」という高市早苗自民党政調会長の発言に福島県民として憤…

覚え書:「刊行:立教大学長の執務日記 戦時下の受難、生々しく」、『毎日新聞』2013年06月24日(月)付、夕刊。

- 刊行:立教大学長の執務日記 戦時下の受難、生々しく 毎日新聞 2013年06月24日 東京夕刊 日中戦争から太平洋戦争にかけて立教大学長が記した執務日記が、『遠山郁三日誌 1940−1943年 戦時下ミッション・スクールの肖像』(山川出版社)=として刊行…

覚え書:「今週の本棚:荒川洋治・評 『高等地図帳 2013−2014』=二宮書店編集部・編」、『毎日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 今週の本棚:荒川洋治・評 『高等地図帳 2013−2014』=二宮書店編集部・編 毎日新聞 2013年06月23日 東京朝刊 (二宮書店・1600円) ◇地理「表現」の興味と工夫を知る 日本・世界地図の最新版。一六〇〇円前後のスタンダードなものは、各社から…

Rさんとの邂逅

水曜日は授業が終わってから、かねてより一献の約束をしておいたメガロポリス埼玉のRさんと乾杯。様々な話をし、楽しい時間かつ有意義なひとときを過ごす事ができました。ありがとうございます。しかし、本当に、驚くのは、いろいろと無茶苦茶な連中が沸い…

覚え書:「今週の本棚:中村達也・評 『<脱成長>は、世界を変えられるか?』=セルジュ・ラトゥーシュ著」、『毎日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 今週の本棚:中村達也・評 『<脱成長>は、世界を変えられるか?』=セルジュ・ラトゥーシュ著 毎日新聞 2013年06月23日 東京朝刊 (作品社・2520円) ◇自然に埋め込まれた人間のための倫理学 六月初旬に来日したオランド仏大統領が、安倍首相との会談…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『プライドの社会学』=奥井智之・著」、『毎日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『プライドの社会学』=奥井智之・著 毎日新聞 2013年06月23日 東京朝刊 (筑摩選書・1680円) ◇根拠を求めて彷徨う心の実像に迫る 年末からの株価急騰に多くの日本人が浮かれるのを見て、違和感を持つ人もいるのではないか…

書評:山口由美『ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日』小学館、2013年。

山口由美『ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日』小学館、読了。本書は20世紀を代表する写真家の最後の仕事は『MINAMATA』(1975)。本書はスミスが水俣で過ごした3年間を、妻やアシスタントの証言をもとに、水俣での交友、撮影生活と思想、…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『永続敗戦論 戦後日本の核心』=白井聡・著」、『毎日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『永続敗戦論 戦後日本の核心』=白井聡・著 毎日新聞 2013年06月23日 東京朝刊 (太田出版・1785円) 冷戦後世代のレーニン論で注目された社会思想学者による戦後論だ。 戦後日本は、敗戦を「終戦」と言い換えるなどして、アジアに…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『第一回普選と選挙ポスター』=玉井清・著」、『毎日新聞』2013年06月23日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『第一回普選と選挙ポスター』=玉井清・著 毎日新聞 2013年06月23日 東京朝刊 (慶應義塾大学法学研究会・6930円) 選挙運動の候補者と党首のツーショット写真は今に始まったことではない。85年前の第1回男子普通選挙(衆院選)…

覚え書:「みんなの広場 日本は賢明な国であれ」、『毎日新聞』2013年06月19日(水)付。

- みんなの広場 日本は賢明な国であれ 主婦 62(福岡市西区) ヘイトスピーチ(憎悪発言)のデモが日本であったことに強い衝撃を受けた。日本は人権を尊重する社会だと思っていたからである。「朝鮮人を殺せ」「ガス室にたたき込め」など大声を出しているデ…

覚え書:「制度―人類社会の進化 [著]河合香吏 [評者]萱野稔人」、『朝日新聞』2013年06月16日(日)付。

- 制度―人類社会の進化 [著]河合香吏 [評者]萱野稔人(津田塾大学准教授・哲学) [掲載]2013年06月16日 [ジャンル]社会 ■進化史の根源に迫る長い射程 私たちはさまざまな慣習や規則のなかで生きている。わかりやすい規則といえば法律だが、それだけが規則では…

覚え書:「生まれ変わる動物園 [著]田中正之/標本の本 [著]村松美賀子・伊藤存 [評者]川端裕人」、『朝日新聞』2013年06月16日(日)付。

- 生まれ変わる動物園 [著]田中正之/標本の本 [著]村松美賀子・伊藤存 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年06月16日 [ジャンル]科学・生物 ■展示だけじゃない、研究意欲も 動物園は博物館法で定められた施設だ。社会的使命として「種の保存」「教育・環境教…

わが身を忘れて、心を浄めたときに、はじめて他人の心をも浄めることができた

- この時、洗礼の子は、あのとき百姓女が手拭いをきれいに洗った時に、はじめて、テーブルがきれいにふけたことを思いだした。つまり、彼がわが身を忘れて、心を浄めたときに、はじめて他人の心をも浄めることができたのであった。 なお、追剥ぎは言った−− …

覚え書:「南無ロックンロール二十一部経 [著]古川日出男 [評者]佐々木敦」、『朝日新聞』2013年06月16日(日)付。

- 南無ロックンロール二十一部経 [著]古川日出男 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) [掲載]2013年06月16日 [ジャンル]文芸 ■時の断層をつなぐ、巨大で真摯な物語 あの「二〇一一年三月十一日」によって、福島出身の古川日出男は、小説家としての根本的…

覚え書:「おかしなジパング図版帖―モンタヌスが描いた驚異の王国 [著]宮田珠己 [評者]三浦しをん」、『朝日新聞』2013年06月16日(日)付。

- おかしなジパング図版帖―モンタヌスが描いた驚異の王国 [著]宮田珠己 [評者]三浦しをん(作家) [掲載]2013年06月16日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■こんなお辞儀見たことないよ 図版がたくさんの楽しい本。なんの絵が載っているかというと、主に…

覚え書:「過熱する『憎悪』:識者に聞く 排除は国民の仕事−−フリーライター・赤木智弘さん」、『毎日新聞』2013年06月19日(日)付。

- 過熱する「憎悪」:識者に聞く 排除は国民の仕事−−フリーライター・赤木智弘さん 毎日新聞 2013年06月19日 東京朝刊 在日コリアンを汚い言葉で攻撃する「ヘイトスピーチ」の問題は、16日に東京・新大久保で行われたデモで「在日特権を許さない市民の会」…

覚え書:「書評:連続する問題 山城むつみ 著」、『東京新聞』2013年06月16日(日)付。

- 連続する問題 山城むつみ 著 2013年6月16日 ◆加害者性の自覚迫る [評者]井口時男=文芸評論家 このところの中国・北朝鮮・韓国とのトラブルの多くは、近代日本史の「後遺症」に起因している。戦争と植民地支配が終わって七十年近いが、傷口は双方になお…

覚え書:「書評:素顔の新美南吉 斎藤卓志 著」、『東京新聞』2013年06月16日(日)付。

- 素顔の新美南吉 斎藤卓志 著 2013年6月16日 ◆壮絶、哀切な晩年活写 [評者]宮川健郎=武蔵野大教授 新美南吉は一九一三年、現在の愛知県半田市に生まれた。旧制中学のころから文学に関心をもち、雑誌に投稿する。児童雑誌『赤い鳥』には、童謡が二十三編…

書評:上林陽治『非正規公務員という問題 問われる公共サービスのあり方』岩波ブックレット、2013年。

上林陽治『非正規公務員という問題 問われる公共サービスのあり方』岩波ブックレット、読了。その陣容が無駄の象徴と指摘されるものの安定した職種というイメージの地方公務員。しかしその内実は3人に1人が非正規の職員だという。本書は、市民の日常を支え…

覚え書:「今週の本棚:若島正・評 『本読みの獣道』=田中眞澄・著」、『毎日新聞』2013年06月16日(日)付。

- 今週の本棚:若島正・評 『本読みの獣道』=田中眞澄・著 毎日新聞 2013年06月16日 東京朝刊 (みすず書房・2940円) ◇古本に生命を吹き込む“語り部”の魔力 小津安二郎の研究家として知られた著者が、前著『ふるほん行脚』に続いて、雑誌『みすず』に連…

覚え書:「今週の本棚:三浦雅士・評 『ヤマネコ・ドーム』=津島佑子・著」、『毎日新聞』2013年06月16日(日)付。

- 今週の本棚:三浦雅士・評 『ヤマネコ・ドーム』=津島佑子・著 毎日新聞 2013年06月16日 東京朝刊 (講談社・2100円) ◇混血孤児の謎の事件に“現在”を問う力作長篇 小説の現在を問う力作。 「ミッチ、あなたはとにかく、日本に戻ってきた。外国のどこ…

覚え書:「過熱する『憎悪』:ベビーカー押してヘイトスピーチ 反対派との衝突激化 差別あおる真意は?」、『毎日新聞』2013年06月18日(火)付。

- 過熱する「憎悪」:ベビーカー押してヘイトスピーチ 反対派との衝突激化 差別あおる真意は? 毎日新聞 2013年06月18日 東京朝刊 怒声が飛ぶ中、日章旗や旭日旗を掲げて集合場所の公園を出発するデモ隊=東京都新宿区で2013年6月16日午後3時3分、小…