2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「特集ワイド:内閣府参与を辞任、湯浅誠さん 「入って」みたら見えたこと」、『毎日新聞』2012年3月30日(金)付(東京夕刊)。

- 特集ワイド:内閣府参与を辞任、湯浅誠さん 「入って」みたら見えたことブラックボックスの内部は「調整の現場」だった 08年末の「年越し派遣村」村長として知られる湯浅誠さんが今月7日、内閣府参与を辞任した。政府の外から貧困対策を訴えてきた社会…

戦前昭和のキリスト教の自己認識:(一)利用されて利用したる時代、(二)弁証時代、(三)基礎工事を終へて直面する諸問題

- 無から有は生れて来ない。だからして、無い光を放たうとすることは、魚を木によつて求むるよりも愚かしいことである。成る程、現代文化を代表する大都会の夜は、昼をも欺くやうに明るいイルミネーシヨンや、ネオン灯の色美しい輝きを見せてゐる。然しその…

覚え書:「異論反論 孤立死、孤独死が増えています 『意思表示カード』で防げ=城戸久枝」、『毎日新聞』2012年3月28(水)付。

- 異論反論 孤立死、孤独死が増えています 「意思表示カード」で防げ 寄稿 城戸久枝 この1年、「絆」という言葉が飛び交い、さまざまな場で人とのつながりの大切さが語られた。しかし、一方で、孤立死や孤独死など、人間関係の希薄さによる悲劇が目立つよう…

人間精神は、元来孤立的に成り立たず、交通に依て其の内容を豊富にする

- 近頃保守論者の中には、日本国家の特色は、日本のみ特有であつて、他国の習ふ事の出来ないもの、従て又日本は、道徳の点に於て、他国から学ふべきものがないと云ふ人が多い。此くの如き精神的鎖国論者は、人間精神の微妙なる働きを知らず、又文明交通の何…

覚え書:「引用句辞典 不朽版 鹿島茂 吉本隆明さん 大思想家を規定した人生最大の事件」、『毎日新聞』2012年3月28日(水)付。

- 引用句辞典 不朽版 鹿島茂 吉本隆明さん 大思想家を規定した人生最大の事件 わたしは五年生になると早速、親たちから知合いの先生の私塾に行けといいつけられた。なぜ率直に応じたのかよくわからない。 (中略) わたしはあの独特ながき仲間の世界との辛い…

むしろ自分の国の強さと、臣民に浸透した国家意識の威力への自信の強さとに基づいて「寛容」は発令されてたらしめるということ。

- われわれは誰でも、われわれがそのもとで生きているシステムを受け入れている。そのことをかつてすでにマックス・ヴェーバーが、ロマン主義的イデオロギーやゲオルゲグループの秘教と対決する際に力説していた。しかしこのシステムの絶対的支配はもはや、…

覚え書:「ひと 大学教授から合気道の道場主に転身した思想家 内田樹さん(61)」、『毎日新聞』2012年3月27日(火)付。

- ひと 大学教授から合気道の道場主に転身した思想家 内田樹さん(61) 思想家として精力的に評論活動を続ける傍ら、神戸市東灘区に昨年11月、自宅兼合気道の道場「凱風舘」を新築し指導している。75畳もある1階のスペースで、門弟ら約150人が汗を流す…

B級グルメ列伝:東京都中野区編 中華そば 青葉(中野 本店)

妻の実家へ春休みの帰省する息子を東京駅までおくってから、仕事へ出るには少し時間がありましたので、青春を過ごした地・中野へぶらりと途中下車。駅前の再開発に驚きながら、サンモール、それから中野ブロードウェイをぐるっと見て回り、……10年ぶりにな…

覚え書:「みんなの広場 橋下氏の教育改革、効果に疑問」、『毎日新聞』2012年3月25日(日)付。

- みんなの広場 橋下氏の教育改革、効果に疑問 元小学校教諭 65(堺市東区) 大阪府の公立小学校を定年退職して間もなく5年。食育関係の仕事で現在も府内の学校へよく行くが、言われることはどこでも同じだ。「いい時に辞めはったね」 大阪府の公立学校の先…

覚え書:「みんなの広場 学校側の口元チェックに驚き」、『毎日新聞』2012年3月25日(日)付。

- みんなの広場 学校側の口元チェックに驚き 無職 61(滋賀県湖南市) 君が代の起立斉唱を義務づける条例を全国で初めて制定した大阪府の府立高校の卒業式で、教頭らが教職員の口の動きを見て、歌っているかチェックしていたと報じられた。子どもの教育を行…

兵隊のあとについて歩いて行く。ひとりでに足並みが兵隊のそれと揃う。

- 兵隊のあとについて歩いて行く。ひとりでに足並みが兵隊のそれと揃う。 兵隊の足並みは、もとよりそれ自身無意識的なのであるが、われわれの足並みをそれと揃わすように強制する。それに逆らうにはほとんど不断の努力を要する。しかもこの努力がやがては馬…

覚え書:「急接近:ジョルジョ・アガンベンさん ユーロ危機、フクシマ…世界の近未来は」、『毎日新聞』2012年3月24日(土)付。

- 急接近:ジョルジョ・アガンベンさん ユーロ危機、フクシマ…世界の近未来は? <KEY PERSON INTERVIEW> 09年末にギリシャに端を発した「ユーロ危機」は資本主義という名の宗教が壊れ始めた世界での日常の出来事にすぎない−−。そう断…

社会変革における「体育会」と「サークル」について。

今の時代はどうなのか知らないけれども、僕が大学に入学した90年代というのは、「サークル」の時代だったと思う。テニスをするにしても「テニス部」の練習はなかなか休むことはできない。しかし「テニス・サークル」の場合……もちろん温度差はあるのでしょう…

覚え書:「特集ワイド:東大話法のトリック」、『毎日新聞』2012年3月23日(金)付(東京夕刊)。

- 特集ワイド:東大話法のトリック 学識豊かで、丁寧で、語り口もスマート……なのに、何かがおかしい。「原子力ムラ」の人たちを取材してきて、そう感じていた。そんなモヤモヤを晴らしてくれる人がいると聞き、会いに行った。著書「原発危機と『東大話法』」…

およそ人間の思考というものは、その最上のものでさえ、機械的になろうとする傾向、つまり内容を公式的な言葉で表現しようとする傾向を持っている

- 四月二十二日 およそ人間の思考というものは、その最上のものでさえ、機械的になろうとする傾向、つまり内容を公式的な言葉で表現しようとする傾向を持っている。このような公式的な表現は、たえず骨のおれる思考活動をなす代役をつとめ、少なくとも、あと…

「ひととの出会い」に感謝

- どこの国だってほんとうの善人は多くない、はなはだ少ない。美しい人も多くはない、はなはだ少ない。しかしいないことはない。ただそういう人にめったに会うことができないだけだ。 −−武者小路実篤『友情』岩波文庫、年、20頁。 - 卒業式の折り、謝恩会に…

覚え書:「吉本隆明さんを悼む 北川透」、『毎日新聞』2012年3月21日(水)付。

- 吉本隆明さんを悼む 北川透 冬の圧力の真むこうへ 吉本隆明さんの訃報を受けて、長い瞑目の時を持った。そして、あらためて吉本さんの生涯は詩人だった、と思う。 《世界は異常な掟てがあり 私刑(リンチ)があり/仲間外れにされたものは風にふきさらされ…

宙宇は絶えずわれらによつて変化する

- 宙宇は絶えずわれらによつて変化する 誰が誰よりどうだとか 誰の仕事がどうしたとか そんなことを言ってゐるひまがあるか −−宮沢賢治「生徒諸君に寄せる」、谷川徹三編『宮沢賢治詩集』岩波文庫、1979年、269頁。 - このたびはご卒業おめでとうございます…

覚え書:「今週の本棚:鹿島茂・評 『近代広告の誕生』=竹内幸絵・著」、『毎日新聞』2012年3月18日(日)付。

- 今週の本棚:鹿島茂・評 『近代広告の誕生』=竹内幸絵・著 (青土社・3570円) ◇「集団の夢」の形として読み解く「社会美術史」 ベンヤミンは『パサージュ論』で、資本主義とは、個人の意識は目覚めて活動しているのに集団意識は深い眠りに落ちている…

人間は……自分の創り出すものを越えて成長し、自分の考えの段階を踏みのぼり、自分のなしとげたもののかなたに立ちあらわれる

- 人間は、この宇宙における、有機物、無機物を問わず、ほかのどんなものとも違って、自分の創り出すものを越えて成長し、自分の考えの段階を踏みのぼり、自分のなしとげたもののかなたに立ちあらわれるものだ。 −−スタインベック(大橋健三郎訳)『怒りのぶ…

覚え書:「今週の本棚:沼野充義・評 『日本人の死生観を読む』=島薗進・著」、『毎日新聞』2012年3月18日(日)付。

- 今週の本棚:沼野充義・評 『日本人の死生観を読む』=島薗進・著 (朝日選書・1470円) ◇むき出しの「死」とまともに向き合うために 文明はおぞましいものを人の目から隠す。その最たるものは死だろう。特に日本では報道でも死体を映しだすことを極力…

自分の背後になる公力を恃む、服従道徳の涵養に偏執…軍隊などでも新兵を虐使する下士は、とかく自分の新兵時代にひどく窘められた者に多いとやら、吉野作造「自警団暴行の心理」より。

- 公立病院の小使が患者を叱り飛ばしたり、三等郵便局の窓口で人民どもが散々こづき廻されたり、田舎者が議員になつて俄に方で風を切つたりするのは、皆同類の現象と謂ていゝ。詰り彼等は俺れには之れ丈の権があるんだぞと見せびらかしたいのである。俺の意…

覚え書:「急接近:ウィリアム・スウィングさん 震災で見えた日本の外国人政策の課題とは?」、『毎日新聞』2012年3月17日(土)付。

- 急接近:ウィリアム・スウィングさん 震災で見えた日本の外国人政策の課題とは? <KEY PERSON INTERVIEW> 東日本大震災から1年にあたり、国際移住機関(IOM)は外務省、明治大学と共催で日本の外国人政策を考える会議を開いた。日…

覚え書:「時流底流 国民管理に危惧 白石孝 プライバシー・アクション代表」、『毎日新聞』2012年3月17日(土)付。

- 時流底流 国民管理に危惧 白石孝 プライバシー・アクション代表外国人を含めた日本国内に居住する全員に割り当てる「マイナンバー(個人識別番号)法案」が国会に提出された。法案をみると、個人番号の利用が、社会保障や税など限られた分野でなく、政府が…

覚え書:「再生への提言:東日本大震災 福島の「草の根」に希望=「東北学」を提唱する福島県立博物館長・赤坂憲雄氏」、『毎日新聞』2012年3月17日(土)付。

- 再生への提言:東日本大震災 福島の「草の根」に希望=「東北学」を提唱する福島県立博物館長・赤坂憲雄氏 ◇赤坂憲雄(あかさか・のりお)氏 復興の動きはあきれるほど遅い。国や県には将来へのビジョンが乏しいからだ。被災地はそんな国や県を見切り始め…

「吉野君がわれわれの間に投じた光明の理想に照らされて、われわれも亦、その途を実に遠く踏みつづけることにいたしたい」

- 吉野作造君が永眠されました。ここに、履歴を追憶するの役目をいひつかつたのではありまするが、しかし、学者としての吉野君、評論家としての吉野君については、世上の知るところがあまりに鮮やかなのであります。また、社会運動の指導者としての吉野君に…

覚え書:「大正100年:歴史に探る日本の針路 改元100年 大正の「社会と文化」を語る/下」、『毎日新聞』2012年3月15日(水)付。

- 大正100年:歴史に探る日本の針路 改元100年 大正の「社会と文化」を語る/下 ◇関東大震災で秩序が動揺−−成田龍一さん ◇非科学的な「科学信仰」へ−−長山靖生さん関東大震災で東京・浅草の名所「十二階(凌雲閣)」は中ほどで折れ、下部のみの無残な…

人間たちを相互に置き換えることは本源的な不敬であって、ほかならない搾取が可能となるのもこの置き換えによってである

- 政治的生にあって、人類がその作品から理解されることは間違いない。交換可能な人間たちの、相互的な関係による人間性というわけである。人間たちを相互に置き換えることは本源的な不敬であって、ほかならない搾取が可能となるのもこの置き換えによってで…

覚え書:「ザ・特集:「グリーンアクティブ」中沢新一代表に聞く 「緑の意識」で政治刷新」、『毎日新聞』2012年3月15日(木)付。

- ザ・特集:「グリーンアクティブ」中沢新一代表に聞く 「緑の意識」で政治刷新 ◇「自然との共生」ベースに 東北含むネットワーク志向。 ◇橋下市長は吉本的しゃべくり。それとは違う言説が必要。 ◇政策賛同者に「シール」貼り、選挙に影響力持ちたい。 震災…

機械は人間を生かすために機能するのではない。機械に奉仕させるためにやむなく人間を養うにすぎない

- 科学者が科学の力をたのむのは、思考のさらなる明晰さに達するためではなく、既成の科学に附加されうる成果を発見したいと希っているからだ。機械は人間を生かすために機能するのではない。機械に奉仕させるためにやむなく人間を養うにすぎない。金銭が生…