2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

覚え書:「ゾミア 脱国家の世界史 [著]ジェームズ・C・スコット [評者]柄谷行人(哲学者)」、『朝日新聞』2013年11月24日(日)付。

- ゾミア 脱国家の世界史 [著]ジェームズ・C・スコット [評者]柄谷行人(哲学者) [掲載]2013年11月24日 [ジャンル]社会 国際 ■支配逃れ「遊動」、山地民の「歴史」 表題の「ゾミア」とは、東南アジア大陸部(ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー…

覚え書:「晩年様式集 イン・レイト・スタイル [著]大江健三郎 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授)」、『朝日新聞』2013年11月24日(日)付。

- 晩年様式集 イン・レイト・スタイル [著]大江健三郎 [評者]佐々木敦(批評家・早稲田大学教授) [掲載]2013年11月24日 [ジャンル]文芸 ■絶望でなく希望、深く透明な感動 「三・一一後」と端的に表現される日々、作中で自らを「後期高齢者」と幾度となく記す…

日記:特定秘密保護法案に反対する学者の会

……この法律が成立すれば、市民の知る権利は大幅に制限され、国会の国政調査権が制約され、取材・報道の自由、表現・出版の自由、学問の自由など、基本的人権が著しく侵害される危険があります。特定秘密保護法案に反対の立場ですので、学者の会の趣旨と声明…

覚え書:「書評:海の武士団 水軍と海賊のあいだ 黒嶋 敏 著」、『東京新聞』2013年11月24日(日)付。

- 海の武士団 水軍と海賊のあいだ 黒嶋 敏 著 2013年11月24日 ◆中世の多様な海の慣行 [評者]渡邊大門=歴史研究者 著者は豊富な研究業績を持つ気鋭の中世史研究者。本書は海を舞台にして、そこに生きる村上水軍など「海の武士団」の姿を中世(鎌倉−織豊期…

覚え書:「書評:安全保障とは何か 国家から人間へ 古関 彰一 著」、『東京新聞』2013年11月24日(日)付。

- 安全保障とは何か 国家から人間へ 古関 彰一 著 2013年11月24日 ◆基地=安全? 疑問解く旅 [評者]前泊博盛=沖縄国際大教授 日米安保は何から何を守っているのか。安全保障=アンポ(日米安全保障条約)という敗戦国日本の国民意識を縛る「戦後レジーム…

覚え書:「そして名画があった:/97 バルジ大作戦=玉木研二 /東京」、『毎日新聞』2013年11月21日(木)付。

- そして名画があった:/97 バルジ大作戦=玉木研二 /東京 毎日新聞 2013年11月21日 地方版 ◇ヒトラーの成算なき賭け 本土空襲も広がり、戦局悪化の一途をたどっていた1944(昭和19)年12月20日。毎日新聞の第1面(といっても、当時は統制下で…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『民主化のパラドックス インドネシアにみるアジア政治の深層』=本名純・著」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『民主化のパラドックス インドネシアにみるアジア政治の深層』=本名純・著 毎日新聞 2013年11月24日 東京朝刊 (岩波書店・2835円) 国際的な支援の下、大々的な民主改革を実行してきたインドネシア。その陰で、改革が逆に「非民主…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『疎開した四〇万冊の図書』=金高謙二・著」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『疎開した四〇万冊の図書』=金高謙二・著 毎日新聞 2013年11月24日 東京朝刊 (幻戯書房・2520円) 第二次世界大戦末期、東京は米軍の爆撃機B29による度重なる空襲で焼け野原になった。本書は、多くの人の努力によって、貴重な…

覚え書:「引用句辞典 トレンド編 ソーシャルメディアが生み出す監視社会=鹿島茂」、『毎日新聞』2013年11月23日(土)付。

- 引用句辞典 トレンド編 ソーシャルメディアが生み出す相互監視社会 鹿島茂[ルサンチマン] 世間は、大部分の人間は自分の内部から私心や利己心の臭気が立昇る事を極度に恐れてゐる。それを他人に嗅ぎ附けられる事を何よりも恐れてゐる。 (中略)彼等は吐…

覚え書:秘密保護法 衆院通過 与党が採決強硬

- 社説:秘密保護法案衆院通過 民主主義の土台壊すな 毎日新聞 2013年11月27日 あぜんとする強行劇だった。 衆院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案が採決された場に安倍晋三首相の姿はなかった。首相がいる場で強行する姿を国民に見せてはまずいと、…

覚え書:「今週の本棚:池内紀・評 『緩慢の発見』=シュテン・ナドルニー著」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。

- 今週の本棚:池内紀・評 『緩慢の発見』=シュテン・ナドルニー著 毎日新聞 2013年11月24日 東京朝刊 ◆池内紀(おさむ)評 (白水社・2940円) ◇せわしい時代に光る、のろまな探検家の物語 世界地図のカナダ北部、北極圏のしるしのさらに北、大小の島々…

覚え書:「今週の本棚:松原隆一郎・評 『グローバル経済の誕生』=K・ポメランツ、S・トピック著」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。

- 今週の本棚:松原隆一郎・評 『グローバル経済の誕生』=K・ポメランツ、S・トピック著 毎日新聞 2013年11月24日 東京朝刊 (筑摩書房・3990円) ◇自由貿易の名の下に何が行われてきたか 資本主義の起源は、M・ウェーバーの『プロテスタンティズムの…

書評:前田朗『増補新版 ヘイト・クライム 憎悪犯罪が日本を壊す』三一書房、2013年。

- 歴史を振り返れば、スターリンの大粛正、日本軍の三光政策・無人区政策、東京大空襲、ヒロシマ・ナガサキ、朝鮮戦争における国連軍の犯罪、ベトナム戦争・北爆。枯葉剤作戦、カンボジアのポルポト派による大虐殺、旧ユーゴスラヴィアの「民族浄化」、ルワ…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『スズメ つかず・はなれず・二千年』=三上修・著」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『スズメ つかず・はなれず・二千年』=三上修・著 毎日新聞 2013年11月24日 東京朝刊 (岩波科学ライブラリー・1575円) 茶と黒が入り交じった羽に薄茶の腹、地味な外見ながら、ちゅんちゅんと可愛らしい鳴き声で日本人に親しまれて…

覚え書:「今週の本棚・新刊:『うな丼の未来 ウナギの持続的利用は可能か』=東アジア鰻資源協議会日本支部・編」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。

- 今週の本棚・新刊:『うな丼の未来 ウナギの持続的利用は可能か』=東アジア鰻資源協議会日本支部・編 毎日新聞 2013年11月24日 東京朝刊 (青土社・1995円) たれの香ばしさが鼻をくすぐり、舌の上で身がとろける。たれと絡んだご飯がまたおいしい。日…

覚え書:「みんなの広場 歴史知ってほしい」、『毎日新聞』2013年11月23日(土)付。

- みんなの広場 歴史知ってほしい 大学生 21(東京都豊島区) 「特別永住って何ですか?」。その日、友人とのお酒の席を終え、帰路に就いた。駅を出た所に立つ巡査2人に身分証の提示を求められた。童顔の私が未成年に見えたのだろう。 「出身は?」「韓国で…

覚え書:「哲学者が走る [著]マーク・ローランズ [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)  [掲載]2013年11月17日(日)付。

- 哲学者が走る [著]マーク・ローランズ [評者]角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家) [掲載]2013年11月17日 [ジャンル]人文 ■生きることの意味どこに 印象的だったのは、トルストイが『懺悔(ざんげ)』で書いたという心の動揺だ。財産があるからといって…

覚え書:「石田徹也ノート [著]石田徹也 [評者]水無田気流(詩人・社会学者)」、『朝日新聞』2013年11月17日(日)付。

- 石田徹也ノート [著]石田徹也 [評者]水無田気流(詩人・社会学者) [掲載]2013年11月17日 [ジャンル]文芸 ■強い視力で描かれた世界 石田徹也の作品を初めて直(じか)に見たのは2008年、「僕たちの自画像」展だった。見終えて出ると、視界が変わっていた…

書評:小林秀雄『読書について』中央公論新社、2013年。

小林秀雄『読書について』中央公論新社、読了。「読書の最初の技術は、どれこれの別なく貪る様に読む事で養われる他はない」。表題エッセーをはじめ、「読む」ことと「書く」ことにテーマ絞ったアンソロジー。巻末には対談「教養ということ」(田中美知太郎…

覚え書:「坪井正五郎―日本で最初の人類学者 [著]川村伸秀 [評者]出久根達郎(作家)」、『朝日新聞』2013年11月17日(日)付。

- 坪井正五郎―日本で最初の人類学者 [著]川村伸秀 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年11月17日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■多彩な交遊から浮かぶ人間像 坪井正五郎とは、何者であるか。彼が「コ字付け歌」と題して詠んだ狂歌で知れる。「古物(こ…

覚え書:「ナウシカの飛行具、作ってみた [著]八谷和彦、猪谷千香、あさりよしとお/液体燃料ロケットをDIYしてみた [著]あさりよしとお [評者]川端裕人(作家)」、『朝日新聞』2013年11月17日(日)付。

- ナウシカの飛行具、作ってみた [著]八谷和彦、猪谷千香、あさりよしとお/液体燃料ロケットをDIYしてみた [著]あさりよしとお [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年11月17日 [ジャンル]科学・生物 ■大空を駆ける「素人」の熱意 『ナウシカの飛行具、作っ…

覚え書:「みんなの広場 治安維持法 想起させる悪法」、『毎日新聞』2013年11月22日(金)付。

- みんなの広場 治安維持法 想起させる悪法 無職 81(大阪府高槻市) 「よらしむべし、知らしむべからず」という言葉があります。政というものは理由など説明せずにただ従わせるべきであるという考えですが、国会で審議中の特定秘密保護法案はまさにそのもの…

覚え書:「JB論 ジェイムズ・ブラウン闘論集1959−2007 [編著]ネルソン・ジョージ、アラン・リーズ [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター)」、『朝日新聞』2013年11月17日(日)付。

- JB論 ジェイムズ・ブラウン闘論集1959−2007 [編著]ネルソン・ジョージ、アラン・リーズ [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター) [掲載]2013年11月17日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■黒い音楽を変えた男のファンク ジェイムズ・ブラ…

覚え書:「ビスマルク(上・下) [著]ジョナサン・スタインバーグ [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学)」、『朝日新聞』2013年11月17日(日)付。

- ビスマルク(上・下) [著]ジョナサン・スタインバーグ [評者]水野和夫(日本大学教授・経済学) [掲載]2013年11月17日 [ジャンル]ノンフィクション・評伝 ■大帝国を育んだ天才性と悪魔性 鉄血宰相オットー・フォン・ビスマルクには、様々な冠がつく。「天才…

書評:N・ファーガソン(櫻井祐子訳)『劣化国家』東洋経済新報社、2013年。

N・ファーガソン『劣化国家』東洋経済新報社、読了。「なぜ豊かな国が貧困へと逆戻りするのか?」。西欧がトップに立ち続けた二つの要因は民主主義と資本主義、法の支配と市民社会というの4つのエンジンを実装した国民国家。その劣化を前に開発独裁の如き妖…

日記:旅に出ることは日常の生活環境を脱けることであり、平生の習慣的な関係から逃れることである

- 旅に出ることは日常の生活環境を脱けることであり、平生の習慣的な関係から逃れることである。旅の嬉しさはかように解放されることの嬉しさである。ことさら解放を求めてする旅でなくても、旅に老いては誰も何等か解放された気持になるものである。或る者…

覚え書:「書評:ブリティッシュ・ロック 林 浩平 著」、『東京新聞』2013年11月17日(日)付。

- ブリティッシュ・ロック 林 浩平 著 2013年11月17日 ◆思想・哲学と響き合う [評者]土佐有明=ライター 一九六〇〜七○年代のロックを巡る評論には既にいくつかの類型が存在するが、思想・哲学とロックの関連性をここまで徹底して掘り下げるスタイルは珍し…

覚え書:「書評:宮本常一 逸脱の民俗学者 岩田 重則 著」、『東京新聞』2013年11月17日(日)付。

- 宮本常一 逸脱の民俗学者 岩田 重則 著 2013年11月17日 ◆生活を記す学問の可能性 [評者]安藤礼二=文芸評論家 本書は、近年再評価が著しい宮本常一の生涯と思想を、貴重な第一次資料に基づきながら概説し、現在でも色褪(いろあ)せないその可能性を浮き…

覚え書:「<東日本大震災>宗教が果たした役割とは 不安な夜、頼り、支えられ」、『毎日新聞』2013年11月21日(木)付。

- <東日本大震災>宗教が果たした役割とは 不安な夜、頼り、支えられ 毎日新聞 11月21日(木) <東日本大震災>宗教が果たした役割とは 不安な夜、頼り、支えられ300人を超える住民が犠牲になった宮城県東松島市野蒜地区。全国から集まった青年僧侶約30…

覚え書:「今週の本棚:三浦雅士・評 『北のはやり歌』=赤坂憲雄・著」、『毎日新聞』2013年11月17日(日)付。

- 今週の本棚:三浦雅士・評 『北のはやり歌』=赤坂憲雄・著 毎日新聞 2013年11月17日 東京朝刊 (筑摩選書・1575円) ◇ウェブ時代の「昭和の歌」をたどる 「はやり歌」すなわち「流行歌」である。「リンゴの唄」「北上夜曲」「北帰行」「ああ上野駅」「…