2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧
- ミッキーの書式 戦後まんがの戦時下起源 大塚 英志 著 2013年5月26日 [評者]阿部嘉昭=北海道大准教授 ◆円と黒の造型が躍動 『鳥獣戯画』などの鳥羽絵の伝統とポストモダンが化合して、世界に冠たるクールジャパン・コンテンツが成立したという日本中心…
- 文人荷風抄 高橋 英夫 著 2013年5月26日 [評者]四方田犬彦=比較文学者 ◆発想に風通す本の虫干し 荷風の『断腸亭日乗』は、読む人によってさまざまな顔を見せる不思議な書物である。それは日記の形態をとりながら念入りに推敲(すいこう)されたテクスト…
- みんなの広場 橋下市長にそろそろ「NO」を 無職 68(大阪市北区) 日本維新の会の共同代表を務める橋下徹大阪市長の従軍慰安婦問題についての発言。そのあまりの下劣さに、強い憤りとともに深いかなしみさえ感じた。 「命がけで戦い、精神的に高ぶってい…
- 「幸せ」の戦後史 菊地 史彦 著 2013年5月26日 [評者]藤井淑禎=立教大教授 ◆厚い論述、ほろ苦い着地点 四百ページを超える大部の戦後史入門書である。巻末には各章で引用・参考にされた文献が目録化されており、これだけでも堂々たる戦後史関連文献目録…
- 今週の本棚:沼野充義・評 『ロシアとソ連 歴史に消された者たち』=下斗米伸夫・著 毎日新聞 2013年05月26日 東京朝刊 (河出書房新社・3465円) ◇民族史の底流を貫く「古儀式派」の謎 ロシアやソ連の歴史に関する数多い研究書の中でも、本書はひとき…
ほんとは稿を改めて推敲したいのだけど、衝撃だったので、連twのまとめです。 『等伯』(上) 2012/05/17さて、とうとう、読み見ましたよ、上巻だけですが。安部龍太郎『等伯』日本経済新聞出版(直木賞)。評伝なので筋は横に置きますが、久しぶりに「感…
- 今週の本棚:川本三郎・評 『文人荷風抄』=高橋英夫・著 毎日新聞 2013年05月26日 東京朝刊 写真特集へ (岩波書店・2625円) ◇晩年に寄り添った、もう一人のミューズ 永井荷風への現代人の関心は尽きることがない。 近年、実に多くの荷風本が書かれ、…
- 今週の本棚・新刊:『続 日曜日の歴史学』=山本博文・著 毎日新聞 2013年05月26日 東京朝刊 (東京堂出版・1680円) 歴史学にとって最も信頼できる一次史料である古文書。博物館の歴史展示でも中核を占めている。しかし、日本語化した漢文だったりして…
- 引用句辞典 トレンド編 鹿島茂 [通販番組に学ぶ]「便利」価値見失う 資本主義の不幸 競争心、すなわちわれわれ自身が優越したいという熱心な欲求は、もともと、他の人びとの卓越にたいするわれわれの感嘆に、基礎を持っている。(中略)われわれはそれら…
- 今週の本棚・新刊:『小さき 愛らしきもの』=田島充・著 毎日新聞 2013年05月26日 東京朝刊(生活の友社・1890円) ひと昔前、「大きいことはいいことだ」という流行語があった。ことわざでは「大は小を兼ねる」。美術展においても「大作」が注目され…
- 今週の本棚・情報:「希望の百科事典」完結 毎日新聞 2013年05月26日 東京朝刊 白水社が昨年11月から刊行してきた哲学者エルンスト・ブロッホの大著『希望の原理 改訂新版』(保坂一夫ほか訳、白水 iクラシックス=全6巻・3990−4515円)が、こ…
- 今週の本棚:村上陽一郎・評 『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『宇宙はこう考えられている』 毎日新聞 2013年05月26日 東京朝刊 ◆『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』=村山斉・著、聞き手・高橋真理子(朝日新書・819円) ◆…
野本三吉『子供観の戦後史 増補改訂版』現代書館、読了。本書は『戦後児童生活史』『近代日本児童生活史序説』をまとめた著者による児童観の変遷史、児童思想史。大人は子供をどのように見てきたのか−−。ことあるたびに人は「子供が変わった」というがそれは…
- 考える練習 [著]保坂和志 [掲載]2013年05月19日 [ジャンル]人文 消費税増税、TPP、原発ほか現代は賛否に迷う問題に満ちていて、「どうすれば自分の頭で考えることができるのか」と思った若い編集者が、作家に「考える方法」を教えてもらいたいと、12…
- 怪獣文藝 [編]東雅夫 [評者]川端裕人(作家) [掲載]2013年05月19日 [ジャンル]文芸 ■不穏で不安、ぞわっとした感覚 我々の社会にとって「怪獣」は特別であるようだ。テレビでウルトラ怪獣が活躍(?)し、ゴジラが映画の定番だった頃に育った世代でなくとも…
- そこが聞きたい:水俣病最高裁判決の意義 山口紀洋氏 毎日新聞 2013年05月22日 東京朝刊 「公害の原点」と言われる水俣病。患者と認められないまま他界した熊本県水俣市の女性の遺族が、県に水俣病認定を求めた訴訟で最高裁は4月、遺族側勝訴の判決を言い…
- 発信箱:原発輸出と共感力=青野由利(専門編集委員) 毎日新聞 2013年05月24日 女性からは総スカンだが、男性はどうだろう。ちょっとした疑いを抱いていたが、偏見だったようだ。「従軍慰安婦制度は必要だった」という橋下徹氏の発言をどう思うか。毎日新…
- 不浄の血 [著]アイザック・バシェヴィス・シンガー [評者]いとうせいこう(作家・クリエーター) [掲載]2013年05月19日 [ジャンル]文芸 ■民話、呪い、魔物が入り交じる異物 アイザック・B・シンガーは1978年に米国人作家としてノーベル文学賞を受賞した…
- 「グローバリズム」の歴史社会学 フラット化しない世界 [著]木村雅昭 [評者]萱野稔人(津田塾大学准教授・哲学) [掲載]2013年05月19日 [ジャンル]社会 ■今なお基底的、国民国家の論理 グローバル経済の進展によって国家は衰退するだろう。これまで幾度とな…
- あの方は、本当に、姿かたちがそれは素敵な方でしたよ。背がすらりとして本当に素敵な人でしたけれども、姿かたち以上に、言動が本当に立派だと思いました。いいことをおっしゃる人でした。そして、決しておごることなく、毎日、足を棒にして日本中に平和…
- 犬の伊勢参り [著]仁科邦男 [評者]田中優子(法政大学教授・近世比較文化) [掲載]2013年05月19日 [ジャンル]歴史 ■群衆と動物が入り交じった時代 犬が伊勢参りをした最初の記録は一七七一年だそうだ。それ以来まさに「ぞくぞくと」犬の参宮が見られたのだっ…
- 黒澤明の十字架 戦争と円谷特撮と徴兵忌避 [著]指田文夫 [評者]出久根達郎(作家) [掲載]2013年05月19日 [ジャンル]アート・ファッション・芸能 ■偉丈夫はなぜ徴兵されなかった 映画監督の黒澤明は壮健な偉丈夫だったが、徴兵体験はない。軍務経験もゼロで…
- 記者の目:アイヌ遺骨返還問題北海道報道部 千々部一好研究者のモラル確立を 北海道大や東京大、京都大など全国11大学が、「人類学の研究」と称して明治時代から戦後までの期間に墓地から集めたアイヌの遺骨が1633体に上ることが4月、文部科学省の…
- ソーシャル化する音楽 円堂都司昭 著 2013年5月19日 [評者]土佐有明=ライター ◆つながり遊ぶ道具に ソーシャル・ネットワークが発達した二〇〇〇年代以降、ポップ・ミュージックの楽しみ方は大きく変化した。例えば、動画共有サイトには、一般のユーザ…
- 少子化論 松田茂樹 著 2013年5月19日 [評者]古田隆彦=現代社会研究所長 ◆出生率回復の具体策示す わが国の少子化対策が一九九四年に開始されてから、すでに二十年になる。その効果なのか、合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産む子どもの平均数)…
- 日本軍の東南アジア占領の最大の目的は燃料、食料、鉄鉱石など戦争継続に必要な「重要国防資源」の獲得にあったことは、本書のなかで再三強調してきた。獲得したものは、現地自活のほかに、「大東亜共栄圏」内の物流に回すこと、日本へ搬送することが重要…
- 竹山道雄と昭和の時代 平川祐弘 著 2013年5月19日 [評者]勝又浩=文芸評論家 ◆真の教養人の自由な精神 市川崑監督によって二度も映画化された『ビルマの竪琴』は、その原作である新潮文庫版も読み継がれて版を重ねている。一つの国民文学だと言ってもよ…
- 今週の本棚:養老孟司・評 『建築家、走る』=隈研吾・著 毎日新聞 2013年05月19日 東京朝刊 (新潮社・1470円) ◇「場所」と「身体」を鍵に、自らの軌跡を語る 今年四月、新歌舞伎座がオープンした。その建築を手がけたのが本書の著者、隈研吾。それな…
ちょうど1週間前に避妊手術をしまして、21日の水曜日に抜糸完了にて、一連の処置が終わりました。術後2日ぐらいは、かなり疲れておりましたが、今週の頭から、だいぶ活動的になり、抜糸後は、本調子に戻りました。これで、また宅内で大暴れしそうです(>
- 今週の本棚・新刊:『卵子老化の真実』=河合蘭・著 毎日新聞 2013年05月19日 東京朝刊 (文春新書・893円) 今や30代の初産は当たり前になった。しかし、20代後半から自然妊娠率が少しずつ低下するという事実はよく知られていない。原因は「卵子の…