「最近の子供は駄目だ」「若い連中は危ない」「昔はよかった今はダメ」といった御高説への疑義
twitter連投のまとめで恐縮ですが、大事だから残しておきます。
未成年の凶悪犯罪は多くなったという「風潮」が強いので、「犯罪白書」と「警察白書」で少年刑法犯(未成年)の検挙件数を確認していたら、人口比の問題もあるのですが、やっぱり「風潮」かもと思わざるを得ない。
誰かが「少年犯罪は増加している」と誘導しているんだろうか。
少年の殺人事件は、戦後に限ってみれば(1972年までは沖縄県除く)、1951年、1961年の448名がトップで、つぎは1960年の438名。
少年人口比率(対10万人)だと1951年(2.55%)、1954年(2.25%)。
1975年以降はほぼ100名以下で推移(2005年まで)。
さらに絞ってみよう。
触法少年(14歳未満)の殺人事件の場合、1960年(15名)、1949年(11名)の順。
検挙総数(殺人・強盗・放火・強姦・暴行傷害・脅迫恐喝・凶器準備集合・窃盗・詐欺横領・賭博・猥褻)の場合、1981年(67906件)、1982年(65926件)。
因みに少年刑法犯(交通事件含む)の総検挙件数トップは83年(317438名)、次が82年(310828名)。
勿論、人口比の問題もあるのですが、事件史を見ていると、戦後〜高度経済成長にかけての時期に、所謂猟奇的事件が頻発している。
強制猥褻は1958−1971年に突出して千件オーバー。
「最近の子供は駄目だ」「若い連中は危ない」「昔はよかった今はダメ」といった御高説をよく聞く。
全部が全部とはいいませんし、事件は起こってはいるからそれはそれで問題だとは思う。
しかし、怜悧に件数を確認すると、ただのヨタ話に見えてきたような気もします。
専門家ではありませんので数値だけの比較でしたけどね。
因みにCiNiiで「少年犯罪」で検索をかけると、849件。
示唆に富む指摘はあるのでしょうが、これは後日の課題にしましょう。
何れにしても「最近の子供は駄目だ」「若い連中は危ない」「昔はよかった今はダメ」といった御高説は、意図的に演出されて人口に膾炙されていることは間違いない。
誰が何のために誘導しているのでしょうかねぇ((((;゚Д゚)))))))