覚え書:「みんなの広場 『取り戻すもの』見えてきた」、『毎日新聞』2013年08月23日(金)付。

101_2




        • -

みんなの広場
「取り戻すもの」見えてきた
無職 65(山口県周南市

 自民党が言う「日本を取り戻す」は、誰から日本の何を取り戻すのかが曖昧だった。だが、参院選圧勝後、安倍晋三首相や閣僚による国防軍創設議論の加速や集団的自衛権の容認、日本版海兵隊創設などの発言から曖昧だったものが姿を現してきた。
 特に国防軍はたとえ任務が自衛隊と同じ専守防衛でも、名称が変わるだけではなく、性格や機能も変わり紛れもない軍隊となる。軍隊では規律や機密が優先され、基本的人権といえども反軍的と見なされると制約を受ける。他国の軍隊でも、思想良心の自由や言論・表現の自由などに一定の制限があるのが一般的だ。
 例えば、思想良心に反した任務でも上官命令は絶対であり背けない。また石破茂・党幹事長は、軍法会議の設置の検討に言及し、裁判を受ける権利さえ制約される可能性もある。国防軍ができれば次には兵員確保のための徴兵制も必要になる。取り戻すのは交戦権のある「普通の国」、戦前の軍事大国ではないのか。
    −−「みんなの広場 『取り戻すもの』見えてきた」、『毎日新聞』2013年08月23日(金)付。

        • -






102




103