覚え書

覚え書:「折々のことば:978 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月31日(日)付。

- 折々のことば:978 鷲田清一 2017年12月31日 うたかたの仮の浮世の、はかない人間の一生を、何に託してみたところで、大なる差違はない (江戸川乱歩) ◇ 探偵小説のパイオニアは、「誰も面白がらない」ものをと、探偵小説と同性愛文献を蒐集(しゅうし…

覚え書:「後藤正文の朝からロック 「本当の日本」を書き記す」、『朝日新聞』2017年12月27日(水)付。

- 後藤正文の朝からロック 「本当の日本」を書き記す 2017年12月27日 写真・図版 アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文さん 今年の夏に、ロック雑誌で連載していた短編小説をまとめて、『YOROZU〜妄想の民俗史〜』という本を作った。 ロッ…

覚え書:「自由、平等こそ「明治の精神」 維新150年、苅部直・東京大学教授に聞く」、『朝日新聞』2017年12月27日(水)付。

- 自由、平等こそ「明治の精神」 維新150年、苅部直・東京大学教授に聞く 2017年12月27日 写真・図版 苅部直・東京大学教授 来年が明治元年(1868年)から150年にあたることで、政府は記念施策の準備を進めている。施策の目的とされるのは「明治の…

覚え書:「折々のことば:977 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月30日(土)付。

- 折々のことば:977 鷲田清一 2017年12月30日 わからないことの意味を広げておきたいですよね。 (アルバイトの若者) ◇ 仙台のとある公共施設で3年間、嘱託で働いていた若者が、この年末で職場を離れた。施設管理の担当だった。同じフロアに企画を担当…

覚え書:「社説 水俣病の認定 公平中立を裏切る漏洩」、『朝日新聞』2017年12月27日(水)付。

- 社説 水俣病の認定 公平中立を裏切る漏洩 2017年12月27日 被害者に真摯(しんし)に向きあおうとしない水俣病行政の一端が、明らかになったと見るべきだ。 水俣病と認定されなかった男性の不服申し立てを受けた国の審査会側から、裁決の見通しが環境省側に…

覚え書:「永く愛される大家ふたり 池波正太郎と藤沢周平」、『朝日新聞』2017年12月26日(火)付。

- 永く愛される大家ふたり 池波正太郎と藤沢周平 2017年12月26日 池波正太郎(1923〜90)と藤沢周平(1927〜97)。今年は大家それぞれにとって、節目の年だった。池波は『鬼平犯科帳』の連載開始から50年で、鬼平がテレビアニメに。藤沢は没後…

覚え書:「折々のことば:975 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月28日(木)付。

- 折々のことば:975 鷲田清一 2017年12月28日 小さい幸せ見つけるのうまいな (加瀬健太郎の妻) ◇ 写真家が休みに一家で温泉に行く。倹約のため、夕食を部屋でとるのを諦め訪れた変哲もない中華屋で「火山が噴火したみたい」な焼きそばにありつき、「よ…

覚え書:「文化の扉 吹き替え、声の名演技 自然な日本語で・はまり役に熱烈ファン」、『朝日新聞』2017年12月24日(日)付。

- 文化の扉 吹き替え、声の名演技 自然な日本語で・はまり役に熱烈ファン 2017年12月24日 グラフィック・米沢章憲 あなたは吹き替え派、それとも字幕派? 吹き替えは、個性と表現力豊かな声優、熟練のスタッフらプロの技の結晶だ。吹き替えを愛する人たちの…

覚え書:「ニッポンの宿題 女性の進出、阻むもの 緒方夕佳さん、青野慶久さん」、『朝日新聞』2017年12月23日(土)付。

- ニッポンの宿題 女性の進出、阻むもの 緒方夕佳さん、青野慶久さん 2017年12月23日写真・図版 男女平等の度合い 「女性が輝く」――。安倍政権がこうした方針を掲げるなど歴代内閣は女性を後押ししようとしてきましたが、長年の課題の「待機児童問題の解消」…

覚え書:「折々のことば:974 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月27日(水)付。

- 折々のことば:974 鷲田清一 2017年12月27日 いまは「ためになる」とか「役に立つ」以外のものは存在しちゃいけないような風潮があるけれど、私はそれがどうにも不快なんです (中野翠) ◇ 落語のいいところは、損得と関係なしに「存在を楽しく許してい…

覚え書:「インタビュー 米中戦争、回避の知恵 ハーバード大学教授、グレアム・アリソンさん」、『朝日新聞』2017年12月22日(金)付。

- インタビュー 米中戦争、回避の知恵 ハーバード大学教授、グレアム・アリソンさん 2017年12月22日写真・図版 「ツキジデスなら米大統領に助言したでしょう。TPPは中国への対抗手段になると」=ランハム裕子撮影写真・図版 「一帯一路」を足場に影響力を…

覚え書:「「自分の一部を訳しているよう」 村上春樹さん、チャンドラーの長編7作完訳」、『朝日新聞』2017年12月22日(金)付。

- 「自分の一部を訳しているよう」 村上春樹さん、チャンドラーの長編7作完訳 2017年12月22日 写真・図版 チャンドラー小説の村上春樹さんによる新訳作品 米国の作家レイモンド・チャンドラー(1888〜1959)の小説を村上春樹さんが新訳した『水底(…

覚え書:「折々のことば:973 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月26日(火)付。

- 折々のことば:973 鷲田清一 2017年12月26日 After all, tomorrow is another day. (マーガレット・ミッチェル) ◇ 「だって、あしたは今日とは別の日だから」。波瀾万丈(はらんばんじょう)の人生、主人公は愛する夫…

覚え書:「【論壇時評】 積極的棄権論 選挙ルールのゆがみ指摘 中島岳志」、『東京新聞』2017年11月28日(火)付。

- 【論壇時評】 積極的棄権論 選挙ルールのゆがみ指摘 中島岳志 2017年11月28日 今回の衆院選で、最も重要な問題提起だったのは、東浩紀(あずまひろき)の「積極的棄権」論だと思う。東はインターネット上で「2017年秋の総選挙は民主主義を破壊している…

覚え書:「【考える広場】安室奈美恵と私たち」、『東京新聞』2017年12月16日(土)付。

- 【考える広場】 安室奈美恵と私たち 2017年12月16日 四半世紀にわたりトップを走った歌手安室奈美恵さん(40)= 参照=が来年九月、引退する。歌もダンスも切れ味抜群。かっこよさと自分なりの生き方が、ファンの羨望(せんぼう)を集めもした。「安室…

覚え書:「折々のことば:971 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月24日(日)付。

- 折々のことば:971 鷲田清一 2017年12月24日 サンタクロースがいなければ……人間のあじわうよろこびは、ただ目にみえるもの、手でさわるもの……だけになってしまうでしょう。 (フランシス・P・チャーチ) ◇ サンタクロースってほんとにいるの? 189…

覚え書:「【考える広場】子連れ出勤、ダメですか?」、『東京新聞』2017年12月09日(土)付。

- 【考える広場】 子連れ出勤、ダメですか? 2017年12月9日 熊本市議が乳飲み子をだっこして議場に現れ、同伴出席を試みたが、認められなかった。「アグネス論争」から三十年たち、子連れ出勤への社会の目は変貌への過渡期にある。子育て中の本紙記者三人が…

覚え書:「【考える広場】刑務所から見るニッポン 佐藤直子・論説委員が聞く」、『東京新聞』2017年11月25日(土)付。

- 【考える広場】 刑務所から見るニッポン 佐藤直子・論説委員が聞く 2017年11月25日 刑務所の内側を想像したことがありますか。映画や小説に出てくるような残忍な受刑者はむしろ少なく、そこで刑に服しているのは、貧困のために無銭飲食や万引などの軽微な…

覚え書:「【考える広場】移住女子−都会と地方」、『東京新聞』2017年11月18日(土)付。

- 【考える広場】 移住女子−都会と地方 2017年11月18日 都会の女性の間に「移住女子」になる願望が高まっているという。東京一極集中は続き「家族はどうするの」「子育ては」「しきたりは大変よ」など課題も多い中、地方への夢はなぜ膨らんでいるのか。 <移…

覚え書:「【考える広場】二重国籍が問うもの」、『東京新聞』2017年11月04日(土)付。

- 【考える広場】 二重国籍が問うもの 2017年11月4日 民進党元代表・蓮舫議員の二重国籍騒ぎで、日本人の国籍への考え方がクローズアップされた。難民問題が国際問題になり、日本の国際化も進む中で、二重国籍問題を含めて「日本人ファースト」の空気感が国…

覚え書:「【考える広場】 「施設」と「家庭」−児童養護のあり方」、『東京新聞』2017年11月11日(土)付。

- 【考える広場】 「施設」と「家庭」−児童養護のあり方 2017年11月11日 虐待や貧困などのため、親元で暮らせない子は、国内で約四万六千人。この子らを社会としてどう育てるか。国は今夏「施設より里親を優先」という新目標を導入した。児童養護の現場の声…

覚え書:「折々のことば:970 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月23日(土)付。

- 折々のことば:970 鷲田清一 2017年12月23日 感覚について言えば、不平不満が「形容詞」には渦巻いているようでもある。 (森山卓郎) ◇ 色名は無数にあるのに、まずい、辛い、苦い、酸っぱいなど、味覚を表す形容詞は意外に少ない。昔の人は素材をその…

覚え書:「社説 憲法70年 筋道立たない首相発言」、『朝日新聞』2017年12月21日(木)付。

- 社説 憲法70年 筋道立たない首相発言 2017年12月21日 自民党の憲法改正推進本部が、衆院選で公約に掲げた改憲4項目に関する「論点取りまとめ」を公表した。 焦点の9条については、1項と2項を維持して自衛隊を明記する安倍首相の案と、戦力不保持をう…

覚え書:「耕論 明治維新150年 三谷博さん、色川大吉さん」、『朝日新聞』2017年12月20日(水)付。

- 耕論 明治維新150年 三谷博さん、色川大吉さん 2017年12月20日 写真・図版 イラスト・田中和 来年は明治元年から数えて150年。政府は施策を数々用意し、「明治の精神に学び、更に飛躍する国へ」とうたう。NHK大河ドラマの主役は西郷隆盛だ。だが…

覚え書:「折々のことば:969 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月22日(金)付。

- 折々のことば:969 鷲田清一 2017年12月22日 内と外との区別は、自と他との区別が入りこんでくるところでのみ可能になる (ガブリエル・マルセル) ◇ 白い球面に○を書く。円周のいずれの側を内とし外とするかは、それだけでは決定不能である。円周のい…

覚え書:「安保考 日米同盟の現在地 奥谷禮子さん、杉本正彦さん、佐藤丙午さん」、『朝日新聞』2017年12月19日(火)付。

- 安保考 日米同盟の現在地 奥谷禮子さん、杉本正彦さん、佐藤丙午さん 2017年12月19日写真・図版 イラスト・大屋信徹 北朝鮮危機が高まった今年、日本の安全保障のあり方が何度も問われた。トランプ氏は、米国の武器を大量購入すればよい、とあからさまにい…

覚え書:「記者有論 戦争と人間 リアリズム、歴史から学べ 三浦俊章」、『朝日新聞』2017年12月19日(火)付。

- 記者有論 戦争と人間 リアリズム、歴史から学べ 三浦俊章 2017年12月19日 都内の大学で、20世紀の戦争とジャーナリズムについての講義を始めて3年になる。第1次世界大戦から、今世紀初頭のイラク戦争までを扱う。なぜ戦争が起きたのか、メディアはどう…

覚え書:「折々のことば:967 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年12月20日(水)付。

- 折々のことば:967 鷲田清一 2017年12月20日 人生は、手遅れのくり返しです。 (ある僧侶) ◇ あの時はわからなかったけど今だったらわかるということが、人生にはよくある。自分のしたことが、他人に思いも寄らぬ仕方で受けとめられ戸惑う。他人の人生…

覚え書:「世界発2017 沖縄、特攻、伝え続ける 沈没の米艦エモンズ、戦友会」、『朝日新聞』2017年12月18日(月)付。

- 世界発2017 沖縄、特攻、伝え続ける 沈没の米艦エモンズ、戦友会 2017年12月18日 写真・図版 戦友会に参加したエモンズの4人の元乗組員たち=バファロー、宮地ゆう撮影 太平洋戦争で日本の特攻機の攻撃を受けた後、沖縄の海に沈んだ米海軍の掃海艇エ…

覚え書:「文化の扉 ジャポニスムの魅惑 「素朴で謎めいた国」ゴッホら刺激」、『朝日新聞』2017年12月17日(日)付。

- 文化の扉 ジャポニスムの魅惑 「素朴で謎めいた国」ゴッホら刺激 2017年12月17日 写真・図版 JAPONISME(ジャポニスム)<グラフィック・高山裕也>写真・図版 日本のアニメやマンガは海外で人気だ。だが昔を振り返ると、19世紀半ば〜20世紀…