覚え書:「ひと:小柳雅樹さん=核兵器の非人道性を訴える被爆3世」、『毎日新聞』2014年02月12日(水)付。
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ひと:小柳雅樹さん=核兵器の非人道性を訴える被爆3世
毎日新聞 2014年02月12日 東京朝刊
◇小柳雅樹(こやなぎ・まさき)さん(16)
13日にメキシコで始まる「第2回核兵器の人道的影響に関する会議」に日本政府代表団6人のメンバーとして出席し、核兵器の非人道性を訴える。父方の祖父母は長崎で被爆した。被爆3世が核に関する国際会議で政府代表となるのは初めてのことだ。
中学2年生になるまで、自分が被爆者の孫だとは知らなかった。祖母は生まれる前に、祖父は1歳の時に亡くなり、直接話したことはない。
学校での平和学習を機に、改めて父に原爆の体験を尋ねると、爆風で機械の下敷きになり足の指が変形した祖母や、放射能を含んだ灰を吸ってたんに悩まされていた祖父の様子を教えられた。衝撃を受けたと同時に、「祖父母が生きていなければ今の私は存在しない。あの惨状の中を生き延びてくれてありがとう」という気持ちが湧いた。
核兵器の廃絶などを求める「高校生1万人署名活動」に参加し、毎週日曜日に街頭に立って署名を呼びかける。「核兵器の本当の恐ろしさは被爆した人にしか分からないと思う。その言葉の重み、平和への願いを次の世代に継承していくのが、被爆3世としての私の使命」と話す。
「微力だけど無力じゃない」と続けられてきた活動で、2001年から昨年までに計104万1679筆の署名が集まった。「私たちの努力だけでは核兵器がなくならないのは分かっている。大人たちの関心を引きつけて核のない世界を実現していきたい」<文と写真・吉富裕倫>
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■人物略歴
長崎市生まれ。私立活水高校英語科1年。放送部と平和学習部に所属。今回、ユース非核特使も委嘱された。
−−「ひと:小柳雅樹さん=核兵器の非人道性を訴える被爆3世」、『毎日新聞』2014年02月12日(水)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20140212ddm008070073000c.html