覚え書:「みんなの広場 『永遠の0』の作者に違和感」、『毎日新聞』2014年03月14日(金)付。
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みんなの広場
「永遠の0」の作者に違和感
無職・70(神戸市垂水区)
毎日新聞 2014年03月14日
友人に薦められて昨年、百田尚樹氏の小説「永遠の0(ゼロ)」を読んで感動した。優秀な腕前を持つものの、無謀な戦いは避けるため臆病者と陰口をたたかれるゼロ戦のパイロット。彼はなによりも命を大切にする。国で待つ妻のもとに生きて帰ることを約束したからである。戦争の悲惨さや特攻作戦に対する疑問も描かれている。
その百田氏が安倍晋三首相の“お友達”としてNHKの経営委員に選ばれたと報道された時、違和感を覚えた。そして、東京都知事選で特定候補を応援し品性下劣な発言を行った。批判されるとクビにしたらいいと開き直りのような姿勢。
私の頭は混乱した。あの読後の感動は何だったのか。あのような人間が書いたとは、どうしても思えない。もう一度読み返してみようと思った。が、やめた。小説はフィクションである。生身の本人の方が真実なのだ。
−−「みんなの広場 『永遠の0』の作者に違和感」、『毎日新聞』2014年03月14日(金)付。
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