覚え書:「今週の本棚・新刊:『アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた』=小国綾子・著」、『毎日新聞』2014年03月23日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた』=小国綾子・著
毎日新聞 2014年03月23日 東京朝刊
(径書房・1680円)
父親の海外赴任で米国に渡った日本人の野球少年が、現地の野球チームで苦労しながら成長していく姿を、母親の視点から書き記したノンフィクション。
野球を通して見た日米のスポーツ観や子育て、コミュニケーションのあり方の違いなども描かれている。日米の文化比較を試みた本は山ほどあるが、少年野球がテーマというのは珍しい。ミズノスポーツライター賞(2013年優秀賞)受賞作。
日米の少年野球の違いは、大リーグと日本プロ野球との違いより大きいのかもしれない。日本では小学校6年間、同じメンバーで仲間意識を重んじる。一方、米国の野球少年には「みんなで強くなろうぜ」というメンタリティーはない。強い選手は次々トライアウト(選抜試験)を受け、さっさと強豪チームに移籍する。一方、子どもが自信を得られるようにと、あえて弱いチームに我が子を移籍させる親も少なくない。
著者は決して、日米のどちらが良いかという二者択一では考えない。違いを知り、そこから相手を理解しようとする。米国の少年野球事情を知る本としても、異文化子育てエッセーとしても楽しめる。(一)
−−「今週の本棚・新刊:『アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた』=小国綾子・著」、『毎日新聞』2014年03月23日(日)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20140323ddm015070033000c.html