覚え書:「雲の中では何が起こっているのか [著]荒木健太郎」、『朝日新聞』2014年07月06日(日)付。

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雲の中では何が起こっているのか [著]荒木健太郎
[掲載]2014年07月06日   [ジャンル]科学・生物 

 雲をつかむといえば、物事が漠然としている様子をさすが、気象学の最前線ではまさに雲をつかもうとする研究が進む。その全容がわかりやすく説かれる。著者が所属する気象庁気象研究所には「雲生成チャンバー」という装置がある。内部の気温と気圧を制御して高度25キロまでの大気の状態を再現し、対流圏内の雲はすべて作れる。
 章末のコラムも楽しい。湯気の立つみそ汁に火のついた線香を近づけると、湯気が白く濃くなる。線香から発生した微粒子が雲凝結核になるからだ。一方、みそ汁の中では表面と下層に温度差があるので、上昇流と下降流が規則的に並び、積雲の内部と同じセル状対流が見られる。みそ汁にも気象学があったとは。
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(ベレ出版・1836円)
    −−「雲の中では何が起こっているのか [著]荒木健太郎」、『朝日新聞』2014年07月06日(日)付。

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みそ汁にも気象学があったとは|好書好日





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雲の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)
荒木 健太郎
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