覚え書：「今週の本棚・新刊:『「女子」の誕生』＝米澤泉・著」、『毎日新聞』2014年08月31日（日）付。
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今週の本棚・新刊:『「女子」の誕生』＝米澤泉・著
毎日新聞 2014年08月31日 東京朝刊
（勁草書房・２８０８円）
女子会、女子力−−。「女子」という言葉が、本来の意味の枠を超えて使われるようになって久しい。女子大で「ファッション・ビューティー論」を教える著者が、近年のファッション誌に登場する「女子」の生きざまから、女たちが「女子」ブームに何を託しているのか読み解く。
「女子」がファッション誌で広がったのは、２０００年代から。美しくなるために努力することを「女子力」と呼んだところから始まった。徐々にファッション誌外で、３０歳前後の女性が「女子」の響きに男性と「対等な感じ」を見いだし、過剰な女性性を軽減する言葉として使われるように。さらに３０代、４０代のモデルを「大人女子」として起用し、少女っぽいファッションを取り上げた女性誌が人気を博すようになった。
なぜ女たちは年齢を超えて「女子」の衣をかぶり、ファッションやコスメに夢中になるのか。「男にこびるため」などと批判的に見られがちなその向きに、本書は「良妻賢母規範」を脱ぎ捨て、自由に生きる原動力を得るため、と答える。「三度の飯より化粧好き」と悟られぬよう研究者の間で肩身の狭い思いをしてきたという著者の分析がさえる一冊だ。（反）
−−「今週の本棚・新刊:『「女子」の誕生』＝米澤泉・著」、『毎日新聞』2014年08月31日（日）付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20140831ddm015070035000c.html
