覚え書:「折々のことば:861 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年09月01日(金)付。

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折々のことば:861 鷲田清一
2017年9月1日

 魂鎮(たましず)めでなく、魂起こし

 (栗原彬)

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 「海からの大量殺戮(ジェノサイド)」ともいうべき水俣病の東京展(1996年)に寄せて、政治社会学者はこう書いた。水俣病が国・企業や同時代人に突きつけた問いは、「賠償」や「和解」で済むものではない。「患者」一般ではなく、受難者一人ひとりの遺影を前にして、官庁や企業の人の個々に名をもつ人に戻ってゆく、そうした次元でしか魂の救済には届かないと。『「存在の現れ」の政治』から。
    −−「折々のことば:861 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年09月01日(金)付。

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折々のことば:861 鷲田清一:朝日新聞デジタル





「存在の現れ」の政治―水俣病という思想
栗原 彬
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