覚え書:「折々のことば:875 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年09月16日(土)付。


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折々のことば:875 鷲田清一
2017年9月16日

 不思議なことに、この社会では、ひとを尊重するということと、ひとと距離を置くということが、一緒になっています。

 (岸政彦)

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 「ひとを理解することも、自分が理解されることもあきらめる、ということが、お互いを尊重することであるかのように」。そう訝(いぶか)しむ社会学者は、路上にある無数の小石の一つを拾うことでそれがどの石とも違うこの石となり、やがてその事実も儚く消えゆくことに心を震わせつつ、無名の人を訪ね歩く。『断片的なものの社会学』から。
    −−「折々のことば:875 鷲田清一」、『朝日新聞』2017年09月16日(土)付。

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折々のことば:875 鷲田清一:朝日新聞デジタル



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