日記:きわだつ自民党支持者の異質性


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きわだつ自民党支持者の異質性
 これまで「排外主義」「軍備重視」、そして格差に対する意識である「格差拡大認識」「自己責任論」「所得再分配支持」についてみてきた。実は、これらの間には一定の関係がある。「排外主義」「軍備重視」を支持するひとびとは、格差拡大の事実を認めず、所得再分配に反対する傾向が強いのである。しかしその前に、「排外主義」「軍備重視」と政党支持の関係について確認しておこう。
 図表6−8は、支持政党別に「排外主義」「軍備重視」の傾向を示したものである。「排外主義」については、二つとも「とてもそう思う」と回答した場合に六点、二つとも「まったくそう思わない」と回答した場合には〇点となるように、また「軍備重視」については二つとも「そう思う」と回答した場合に四点、二つとも「そう思わない」と回答した場合に〇点となるようなスコアに変換し、さらにスコアの大きさによって回答者をバランスよく分類できるように四段階に分けてから、集計してある。
 一見してわかるとおり、両者と支持政党の関係は非常にはっきりしている。自民党支持者は、排外主義的な傾向が強い。さらに軍備重視の傾向については、他の政党支持者と無党派を大きく引き離して強くなっている。自民党支持者以外では、公明党支持者は排外主義の傾向がとくに弱く、また民進党支持者は軍備重視の傾向がとくに弱いとみていいだろう。とはいえ民進党支持者、公明党支持者、共産党支持者、そして無党派の間の差はさほど大きくなく、これに対する自民党支持者の異質性がきわだっている。あたかも自民党支持者は、排外主義と軍備重視に凝り固まったカルト集団であるようにも思えてくる。
    −−橋本健二『新・日本の階級社会』講談社現代新書、2018年、234−235頁。

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