2018-05-09から1日間の記事一覧
- 魂の秘境から:5 なごりが原 お狐さまがいた、あの頃 石牟礼道子 2017年10月26日 不知火海の漁=熊本県葦北郡、芥川仁氏撮影 秋の深まる夕暮れには、風が色を変えるのが目に見える。すすきの穂波が不知火海の照り返しを浴びて、金色に透けるような日のこ…
- ゲームの規則―全4巻 [著]ミシェル・レリス [評者]円城塔 (作家) [掲載]2018年03月25日■人生を小説にする野望の行方 人生を作品として織り上げ、書くことで、そこにひそむ秘密を解明すること。 そんな野望を抱いた民族学者のミシェル・レリスは「ゲーム…
- ミライミライ [著]古川日出男 [評者]末國善己(文芸評論家) [掲載]2018年03月25日■もう一つの戦後から「今」を見る 太平洋戦争後、ソ連が北海道を占領した。冷戦下に主権を回復した日本は、インドと連邦国家を作る。そして21世紀、本土復帰後もロシアの…
- 遺伝子―親密なる人類史(上・下) [著]シッダールタ・ムカジー [評者]佐倉統(東京大学大学院情報学環長・科学技術社会論) [掲載]2018年03月25日■革命的成果の壮大な絵巻物 以前、あるパネル討論で「星と人間を同じ視点で語れるのが科学のすばらしさだ」…
- プラトンはペンを執ったまま斃(たお)れた――ローマの哲人キケロは叫んだ。その師、ソクラテスの思想を書きとどめ、行動に移した凄絶(せいぜつ)な生涯の最終章を象徴する言葉である。ペンを持って斃れるとは、まさに大哲学者に相応(ふさわ)しい最期で…