幸福こそが哲学の目標です
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幸福こそが哲学の目標です。もっと正確に言うなら、哲学の目標とは叡智であり、だからこそ幸福でもあるのです−−なぜなら、繰りかえしになりますが、哲学の歴史を通してみると、そしてとりわけギリシアの伝統のなかでもっとも評価されている見解の一つによれば、叡智がそれと認められるのは幸福のもとでのことであり、すくなくとも幸福のある種のあり方においてのことなのですから。というのも、賢者が幸福であるとしても、そのためには、どんな方法によっても、どんな犠牲を払ってもよいというわけではないからです。叡智が幸福であるとしても、そのためには、どんな幸福でもかまわないということではありません。
−−アンドレ・コント=スポンヴィル(木田元・小須田健・C・カンタン訳)『幸福は絶望のうえに』紀伊國屋書店、2004年、16頁。
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土曜と日曜の二日間、大阪にて通信教育部の地方スクーリングで「倫理学」を講じてきました。
37名の履修者の皆様、拙い講義を熱心に聞いてくださりありがとうございました。
様々な目的や関心によって、通信教育という形ですが、
「もう一度、大学で学問を挑戦しよう」
……という姿は美しい。
学問とは、おそらく、これまでの生活の中で「みえていなかったもの」に「言葉」と「形」を与え、そのひとの前に可視化する役割があるのだろうと思う。
そのことによってこれまで表現できなかったものを表現できるようになり、見落としていたものをもういちど、俎上にあげてやることができるようになるのだろうと思う。
たった二日間でしたが、そのひとつのきっかけになればとは思う次第です。
本年度の担当はすべて終了。
4月からまた全国を回ります。