旨いもの・酒巡礼記:東京都・新宿区編「ぎたろう軍鶏炭火焼鳥 こけこっこ」
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すべて賞讃すべきものは、それが何らかの性質をもち、何ものかへの関係において、或る仕方においておあるものなるによって賞讃されるのであると見られる。たとえば、われわれが正しいひとや、勇敢なひとや、総じて善きひとを賞讃し彼らの卓越性(アレテー)を賞讃をするのは、そこから生ずる行いとか成果のゆえなのであるし、また力の強いひとや、速い走者や、そのほかすべてそういったひとを賞讃するのも、彼らが或る性質の人間に生まれついていて、善きすぐれた何ものかへの関係において、或る仕方においてあるものなるによる。第一巻第十二章 1101b:10
−−アリストテレス(高田三郎訳)『ニコマコス倫理学 上』岩波文庫、1971年、48頁。
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焼き鶏といえば、居酒屋での定番メニューですが、オールマイティーなチェーン店で頂くと、「なんだこれ?」って「ガックリ」することが多いと思います。
ですから、食べるなら「やきとりや」に足を運ぶのが定石ということですが、これもこれも「間口の広い」分類になってしまうのも事実でしょう。
立ち呑み系で1本100円以下で庶民的に頂くのも快味ですし、料亭風に「お品」として頂戴するのも乙なものだと思います。
さて……。
先日、「ここはお勧めですよ」と教えて頂いた「ぎたろう軍鶏炭火焼鳥 こけこっこ」を訪問してきましたので、そのインプレッションをひとつ。
大学での講義を終え、そのまま新宿に着いたのが17時。ちょうど小田急・ユニクロの地下にありますので、駅で直結しており便利な場所です。その日は開店と同時の利用になりましたが、予約無しですんなりおじゃまになった次第です。なお店です。
ひらがなで「こけこっこ」と表記するわけですが、英語でも「KO-KECOCCO」と併記され、センスを良さを感じてしまう、……というところがすでに「オジサン」かw と思いつつ、扉を開くと、そこは・・・
ショット・バー?
・・・と錯覚するような佇まい。板場と対面のカウンターに腰をおろしましたが、こちらは、先の分類でいえば後者にあたるといえばいいでしょうか。
先ずは、麒麟「ブラウマイスター」をお願いしてから、「ささみ」を焼いて頂きましたが、写真の通りです。ふわふわのお肉で、串を引き抜くと、中は半生。素材がいいのでしょう。口蓋で「とろける」というのはまさにこのことだと舌鼓。
感心しながら、次は定番の「ねぎま」、「かわ」。こちらも間違いない味わい。ねぎまはねぎも身もしっかりとしてい、「かわ」は上品な「お肉」を揚げたのではないか?と錯覚するばかり。
久しぶり脱帽という状態です。
続けて「レバー」を炙って頂く訳ですが、これ、ぜんぜん「臭(くさ)み」がありません。魂消げながら、舌で転がすと、「甘い!」くて驚き!「焼き鶏」という「概念」を一新する一品一品に驚きと感謝です。
さて、「こけっここ」で使用する鶏は、「信州ぎたろう軍鶏」。
長野県の澄んだ水と空気の放牧場で育てられた「軍鶏」が、快い歯ごたえと奥深い味を必然させているのは言うまでもありません。
串もの全体に共通しているのは、素材もさることながら「焼き方」の上手さに尽きるなあ〜とその巧みな職人芸に完敗した次第です。焼き鶏は「焦げ」がいいという好みの方もいますが、ここは「焦げ焦げ」を避けつつ、じっくり「焼くべき」ところは焼き、炭がほのかに鼻腔に抜けるように丁寧に仕上げられております。
最後は、いかだねぎと茄子をお願いしました。こちらも、葱の甘みと茄子の味わい深さにノックアウト!
本来は、もう少し堪能したいところでしたが、こちとらプレカリアートの非常勤ですから、このへんでなくなく切り上げた次第です。先に言及したとおり、こちらは……これは僕の感覚かもしれませんが……焼鳥屋としては高級店。串は250〜450円、お酒類も少々高額の設定です。しかし、それだけの仕事はしてくれる「間違いのなさ」はありますが、「がっつり呑もうぜィ、喰ようぜィ」となりますと、少々「準備」が必要ですね。
名物の親子丼、つくねは次のお楽しみです。
また、寄らせて頂こうと思います。
※その日はデジカメ持参せず、iphone4Sでの撮影になりすいません(涙
■ ぎたろう軍鶏炭火焼鳥 こけこっこ
東京都新宿区西新宿1-1-1 新宿パレット B2F
03-3345-1141
[月〜土]16:00−22:30(L.O)
[日・祝]16:00−21:30(L.O)