覚え書:「ひと 『同性婚合法化』に向け世界を飛び回る ボリス・ディトリッヒさん」、『毎日新聞』2012年10月10日(水)付。



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ひと
同性婚合法化」に向け世界を飛び回る
ボリス・ディトリッヒさん(57)

 01年、世界で初めて同性婚を認めたオランダで、その法案を成立させた立役者。現在11カ国となった同性婚合法化の先がけとなった。同性婚問題を議論している国々の国会から呼ばれ、世界中を飛び回っている。
 LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャルトランスジェンダーの略で、いわゆる性的少数者のこと)の問題は人権の問題であり、差別は許されない、と主張する。弁護士、裁判官時代にゲイであることを公表、国会議員になって最初に取り組んだのが同性婚の法整備だった。
 「もちろん反対されました。何でオランダが最初なんだと。世界の物笑いになるとまで言われました」。そこで、夫婦に準じた権利を同性カップルに認める「登録パートナーシップ法」制定に尽力する。既にデンマークなどで施行されていたため、ハードルは低かった。
 「パートナーシップ法があれば、同性婚まではすぐだった」と言う。
 「世界にはゲイであることが犯罪とされる国が81もある。一方、オランダでも未成年の自殺者の45%がLGBTだというデータがある。宗教や無知が原因だ」と話す。
 今回は日本IBMの招待で来日、来年は野村ホールディングスセミナーを開く。日本でもLGBTの社員に理解を示す企業が増えている。
 「LGBTにフレンドリーな企業は生産性や利益が上がる、というのはとっくに証明されています。日本でも同性婚が実現できるよう国会での議論を期待します。
Boris Dittrich 06年までオランダ下院議員。07年からNGO「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」で活動。男性と結婚。
    −−「ひと 『同性婚合法化』に向け世界を飛び回る ボリス・ディトリッヒさん」、『毎日新聞』2012年10月10日(水)付。

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