覚え書:「みんなの広場 原発事故の教えを受け止めよ」、『毎日新聞』2013年08月21日(水)付。



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みんなの広場
原発事故の教えを受け止めよ
パート 65(大津市

 福島原発事故が発生して2年半近く。収束のめどどころか悪化の一途のようで、資産では放射性汚染水が少なくとも1日300トン海に流出しているという。漁業関係者の不安の高まりを思う時、腹立たしさとやるせなさの日々だ。
 最新の科学技術をもってしても場当たり的対策にしかなり得ず、根本的な収束策には程遠い状態だ。これまで国策としてコスト面から原子力による電力生産にまい進し、国も電力会社も展望の正しさを主張していたが、それを東日本大震災が覆した。今こそ政治家の見識が問われている。
 たとえば電力需要がどれだけ逼迫しても、また原子力産業の裾野がどれだけ広がっていても、一度爆発すれば収束能力を持ち得ない「原子力」に電力を依存することはあってはならないと歴史が教えたのだ。このことを胸に刻んで決して忘れないことが、尊い人命を失い今なお厳しい生活を強いられている避難住民に対して国が見せるべき誠意と考える。
    −−「みんなの広場 原発事故の教えを受け止めよ」、『毎日新聞』2013年08月21日(水)付。

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