覚え書:「今週の本棚・新刊:『うな丼の未来 ウナギの持続的利用は可能か』=東アジア鰻資源協議会日本支部・編」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『うな丼の未来 ウナギの持続的利用は可能か』=東アジア鰻資源協議会日本支部・編
毎日新聞 2013年11月24日 東京朝刊
(青土社・1995円)
たれの香ばしさが鼻をくすぐり、舌の上で身がとろける。たれと絡んだご飯がまたおいしい。日本人はウナギのかば焼きが大好きだ。
そのウナギが食べられなくなるかもしれない。乱獲や海洋環境の変化で資源量が激減しているのだ。環境省は今年2月、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定し、国際自然保護連合も指定を検討している。
どうすればウナギを守り、持続的な利用を続けられるのか。本書は、土用の丑(うし)の日(今年7月22日)にウナギ研究者、養殖業者、行政の担当者らが一堂に会し、白熱の議論を展開したシンポジウムの記録である。
ウナギの生態や完全養殖の実用化に向けた研究。消費や流通の実態。伝統的な食文化を絶やすまいとするかば焼き商の心意気。ウナギに関する話題、課題が満載されている。
日本のウナギ消費量は世界の6〜7割を占めるとされ、日本人の「胃袋」がウナギの将来を大きく左右する。ニホンウナギの産卵場所を世界で初めて突き止めた塚本勝巳・日本大教授の「ウナギの飽食をやめ、手軽なファストフードから、じっくり味わうスローフードに戻そう」との提言をかみしめたい。(鴨)
−−「今週の本棚・新刊:『うな丼の未来 ウナギの持続的利用は可能か』=東アジア鰻資源協議会日本支部・編」、『毎日新聞』2013年11月24日(日)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20131124ddm015070082000c.html