覚え書:「みんなの広場 安倍政権の暴走止まらず」、『毎日新聞』2013年12月30日(月)付。
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辺りの景色が一変した。荒涼とした冬景色。
ことの始まりは昨年の師走総選挙だったが、今夏の参院選がだめ押しをした。衆参のねじれが解消した国会にはもはや安倍政権の暴走を食い止める力はない。日本版NSC設置、特定秘密保護法強行制定に続き、来年には集団的自衛権容認の閣議決定がなされよう。憲法改正などに手間ひまかけるまでもない。
この3点セットで米軍とともに自衛隊が軍事行動をとることは可能になる。「右翼の軍国主義者」と自称してみせる政治家を総理に選んだのだから、戦争ができる普通の国への道は想定された。麻生太郎氏と石破茂氏の妄言は、偽りのない彼らの本音に違いない。
社会から遠近法が失われてしまった。眼前の平べったい利害得失がすべての「今だけ、カネだけ、自分だけ」という不気味で不思議な国。オリンピック開催に乱舞する国民は、戦争にもたやすく熱狂するかもしれない。ヒロシマやナガサキ、フクシマを忘れ果てて。
−−「みんなの広場 安倍政権の暴走止まらず」、『毎日新聞』2013年12月30日(月)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20131230ddm005070100000c.html?inb=ra