覚え書:「みんなの広場 非人間的すぎる国民総特攻」、『毎日新聞』2014年04月24日(木)付。

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みんなの広場
非人間的すぎる国民総特攻
無職・87(島根県太田市

 本紙4月12日の「保阪正康の昭和史のかたち」を読み、当時海軍航空隊第3期飛行予備生徒の基礎教程を終え、海軍陸戦隊茅ケ崎派遣隊に転属していた私はその目的を知り暗然とした。

 それによると大本営アメリカ軍の本土上陸作戦を想定して「一億総特攻」を呼号し、敵が上陸してくると予想された九十九里浜相模湾で各種特攻兵器に乗って体当たりの訓練が行われていたとある。

 私はその相模湾で訓練を受けていた。焼けた砂の上で棒地雷を抱いて戦車の下に飛び込んだり、戦車の窓に手投げ弾を投げる訓練、タコつぼでの戦闘訓練などを受けていた。

 紙面によれば特攻作戦の推進者であった当時の軍令部次長・大西滝治郎は「国民の四分の一が特攻作戦で死に、血染めになったこの国の様子を見てアメリカはもうやめようと言い出すだろう、その時が講和のときだ」と語っていたとある。

 あまりにも非人間的な発想に深い悲しみと憤りを感じる。
    −−「みんなの広場 非人間的すぎる国民総特攻」、『毎日新聞』2014年04月24日(木)付。

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