覚え書:「幻の近代アイドル史―明治・大正・昭和の大衆芸能盛衰記 [著]笹山敬輔」、『朝日新聞』2014年07月27日(日)付。

4_4

        • -

幻の近代アイドル史―明治・大正・昭和の大衆芸能盛衰記 [著]笹山敬輔
[掲載]2014年07月27日   [ジャンル]人文 
 
 明治時代、青年たちは、10代の少女による娘義太夫に熱狂していた。目線がもらえるか否かで一喜一憂する様や、「ドースル、ドースル」と掛け声をかける「ドースル連」、新聞投稿欄でのファン同士の論争は今のオタクたちの行動にも似ている。知識人も熱中、志賀直哉は自分の「推しメン」の芸を「神に近し」とたたえていた。アイドルの登場は1970年代以降とよくいわれるが、テレビが登場する以前の彼女たちは、AKB48のような、「現場」を中心とする最近の「ライブアイドル」の源流といえそう。浅草オペラ、奇術など、従来の演劇史では顧みられなかった「キワモノ」を支えたファンたちに光を当てる研究。
    ◇
彩流社・1944円)
    −−「幻の近代アイドル史―明治・大正・昭和の大衆芸能盛衰記 [著]笹山敬輔」、『朝日新聞』2014年07月27日(日)付。

        • -



「キワモノ」を支えたファンたち|好書好日





Resize1747