覚え書:「地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国 [編]中国出土資料学会 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)」、『朝日新聞』2014年08月10日(日)付
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地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国 [編]中国出土資料学会
[評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史) [掲載]2014年08月10日 [ジャンル]歴史 社会
■古代発掘のロマンが味わえる
古い時代の中国では、地中に冥界があり、人は死ぬと第二の生活を始めると観念されていたらしい。そのため、墓の中にはありとあらゆるもの−−奴隷や牛馬の模型から日用品に至る−−を副葬品として収めた。墓の主が読書人だったり、文書行政に携わる役人であると、多くの書物やレポートがそこに含まれた。
現代中国ではそうした遺跡が次々に発掘されていて、そこで発見された文字情報(紙の発明前なので木・竹や絹布に書かれる)を復元・分析することにより、古代社会を解明する作業が進んでいる。
本書は現役ばりばり、日本の学者47人が、新出土資料から何が分かってきたか、新出土資料はどこから来たかをまとめたもの。今まさに伸び盛りの学問だぞ!という感じが直(じか)に伝わってきて楽しい。
かの国の「いけいけどんどん」に乗って大丈夫?といらぬ心配をしていると、末尾は辛口なコラムが締めてくれる。発掘のロマンと学究的興奮を同時に味わえる一冊。
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東方選書・2160円
−−「地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国 [編]中国出土資料学会 [評者]本郷和人(東京大学教授・日本中世史)」、『朝日新聞』2014年08月10日(日)付。
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地下からの贈り物―新出土資料が語るいにしえの中国 (東方選書)
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