覚え書:「今週の本棚・新刊:『ジャーナリズムの現場から』=大鹿靖明・編著」、『毎日新聞』2014年09月07日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『ジャーナリズムの現場から』=大鹿靖明・編著
毎日新聞 2014年09月07日 東京朝刊
(講談社現代新書・994円)
活字や映像で真実に迫る10人のジャーナリストに、現場を赤裸々に語らせるインタビューシリーズ。2年連続新聞協会賞を受賞した毎日新聞エルサレム支局長・大治朋子は、スクープ取材の極意として「一緒に問題を考える人という立ち位置になれば、その人も組織を裏切るという気持ちにはならない」と明言する。戦艦大和やシベリア抑留など、昭和の検証をライフワークにする同学芸部の栗原俊雄は「歴史認識はイデオロギーに左右されるのですが、それ以前にファクト、史実を確認した方がいい」と、強調する。
死刑囚、永山則夫を映像とペンで追い続け、数々の賞を受賞しているフリーの堀川惠子は取材を「100打数1安打みたいな世界」と例え、「取材というのは常に攻撃をしていないと動かない」と、力説する。
ジャーナリストに問われているのは、着眼点と構想力を常に研ぎ澄まして現実を直視し、他者にどう訴えるかの展開力を日々鍛えることと、改めて痛感させられた。ジャーナリストを目指す人々には絶好の入門書であるだけでなく、ジャーナリズムにすでに携わる人々も、「研鑽(けんさん)書」として一読を勧めたい。(喬)
−−「今週の本棚・新刊:『ジャーナリズムの現場から』=大鹿靖明・編著」、『毎日新聞』2014年09月07日(日)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20140907ddm015070014000c.html