覚え書:「時流・底流:反「嫌中憎韓本」を発行 出版人が立ち上がる」、『毎日新聞』2014年10月27日(月)付。

5

        • -

時流・底流:反「嫌中憎韓本」を発行 出版人が立ち上がる
毎日新聞 2014年10月27日 東京朝刊

(写真キャプション)「NOヘイト!出版の製造者責任を考える」の表紙を検討する会のメンバーら=東京都文京区で


 東京の出版社員ら約20人が今月30日、「NOヘイト!出版の製造者責任を考える」と題した本を編集、出版する。中国や韓国を攻撃する内容の本や雑誌に対して、業界内から異議を申し立てる内容だ。

 この1−2年、中国や韓国の国名に「嫌」「憎」「呆」などの文字をかぶせたタイトルの「嫌中憎韓」本の出版が目立ち、一部はベストセラーに名を連ねている。週刊誌や夕刊紙にもこうした内容の記事が出ている。危機感を持った都内の出版社員らが3月、同業の知人・友人に呼びかけると約20人が集まった。「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」と名付け、フェイスブックで連絡を取りながら勉強会を続けた。

 会は7月、日本出版労働組合連合会の研究集会の一環として、「『嫌中憎韓』本とヘイトスピーチ」と題したシンポジウムを都内で開催。参加したフリーライターや出版社員、書店員らの発言を記録して、書籍にすることにした。91年前の関東大震災後の朝鮮人、中国人の大量虐殺を記録した「九月、東京の路上で」の著者でフリーライター加藤直樹さんのシンポジウムでの講演の内容も収録する。「ころから」刊、新書判で972円(税込み)。

 会によると、嫌中憎韓本は「売れるから」「よそもやっているから」「何も(苦情を)言われないから」という理由でさまざまな出版社から発行されているという。会で事務局を務める出版社員の岩下結さん(34)は「あのような本が出版されていることは腹に据えかねている。このままではいけない。変えるのは大変だが、せめて『おかしい』と言い続けたい。今回の出版が一石を投じることができれば」と話す。【青島顕】 
    −−「時流・底流:反「嫌中憎韓本」を発行 出版人が立ち上がる」、『毎日新聞』2014年10月27日(月)付。

――




http://mainichi.jp/shimen/news/20141027ddm004070043000c.html





52

Resize2560


NOヘイト!  出版の製造者責任を考える
加藤直樹 明戸隆浩 神原元
ころから
売り上げランキング: 2,263