覚え書:「ひと:アルフォンス・デーケンさん 日本で司祭になって半世紀を迎えた上智大学名誉教授」、『朝日新聞』2015年05月01日(金)付。

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ひと:アルフォンス・デーケンさん 日本で司祭になって半世紀を迎えた上智大学名誉教授

2015年05月01日

 「司祭として私はメイド・イン・ジャパンですね」。こんなユーモアでいつも周りは温かい。日本で司祭になって3月に50周年を迎えた。2月には記念のミサが上智大学近くの聖堂で営まれた。
 1932年ドイツ生まれ。19歳でイエズス会に入り、59年に来日した。大学で「死の哲学」「人間学」などを教えながら、死生学を広めた。83年に始めた「生と死を考える会」は各地に広がり、いま全国で48の会が活動を続ける。
 長年、世界各国のホスピスを医師らとたずねる視察ツアーを主導し、日本での普及を後押しした。「人間性の価値を求めて」「よく生き よく笑い よき死と出会う」など、著書も多数。国際人名センター(英国ケンブリッジ)が発刊する「21世紀の優れた知識人2000人」の常連でもある。
 歩みをともんびした日本はこの半世紀、高度成長、バブル景気と崩壊、デフレ、そして阪神・淡路、東日本と2度の大震災を経験。暮らしの足もとが揺らぎ、社会の不安が広がっている。一般向けに40年続くキリスト教入門講座に、昨年は福島の女性が、毎週片道4時間かけてバスで通ってきた。
 でも、日本社会の未来を悲観してはいない。被災地で講演し人々とふれあい、「日本人の強い回復力には心を打たれます」。今後は「世界一の超高齢社会の処方箋を世界に発信していくことが日本の使命です」。文・写真 矢田義一
    −−「ひと:アルフォンス・デーケンさん 日本で司祭になって半世紀を迎えた上智大学名誉教授」、『朝日新聞』2015年05月01日(金)付。

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http://www.asahi.com/articles/DA3S11732908.html





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