覚え書:「君自身の哲学へ [著]小林康夫」、『朝日新聞』2015年05月03日(日)付。
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君自身の哲学へ [著]小林康夫
[掲載]2015年05月03日 [ジャンル]
『知の技法』を編集した哲学者が2015年春の東京大学の定年退職を前に、自身の思想を語り、書いた。ネットやスマホが当たり前のいま「少し現実から引きこもり気味な」若い世代に向けた平易な語り口で、哲学(「知=愛」)の奥深い森へと誘い込む。
すべてが数値化されたグローバル資本主義の世界でいかに希望を見いだすか、ひとの誕生と死、愛、人生の意味とは……。村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』や安部公房『砂の女』などを入り口に、思索の可能性を論じていく。
ひとは「みずからの存在がその本質において歓(よろこ)びであることを知ることができる」。著者の説く「哲学の究極の希望」がいつまでも心に残る。
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大和書房・1620円
−−「君自身の哲学へ [著]小林康夫」、『朝日新聞』2015年05月03日(日)付。
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