覚え書:「声:自公の法曹出身者は心痛まぬか」、『朝日新聞』2015年06月20日(土)付。
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安全保障関連法案を憲法違反として批判する動きが広がりを見せ始めている。「集団的自衛権」そのものには賛否両論があると思うが、賛成の人でも、憲法改正と正面から向き合わず苦し紛れの拡大解釈で法案成立を急ぐ政府・与党の姿勢に強い反発を示している。単なる安保関連法案にとどまらず、立憲民主主義の危機と言っても過言ではないと思う。
私があえて問いたいのは、与党である自民、公明両党の弁護士など法曹出身議員は今、何を考えているかということである。安保法制づくりの責任者を務めた高村雅彦副総裁も公明党の北側一雄副代表も法曹出身だ。自民党の谷垣禎一幹事長や公明党の山口那津男代表もそうだ。
法曹人は憲法を最高規範として尊重し、憲法の精神を具現化した法律をもとに、正義を貫き、人々を守るために戦う人たちであり、原則を忠実に守ることで広く尊敬を集めるべきである。
その憲法が無視され、曲解され、踏みにじられようとしている姿を法曹出身議員たちはどんな思いで見ているのだろうか。法や言葉がこれほどゴム細工のようにねじられ曲げられても、心は痛まないのだろうか。
−−「声:自公の法曹出身者は心痛まぬか」、『朝日新聞』2015年06月20日(土)付。
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