覚え書:「声:従軍看護師になりたくない=大学生(茨城県 18)」、『朝日新聞』2015年07月07日(日)付。

Resize3015

        • -

声:従軍看護師になりたくない
大学生(茨城県 18)

 戦時中の看護婦の写真が目に留まった(5月1日朝刊)。その中の一人である若杉初枝さんは、日本赤十字社従軍看護婦旧ソ連によって朝鮮半島北部の収容所に抑留され、25歳で亡くなったという。死に至る敬意は不明で、遺骨は家族のもとに帰らなかった。
 戦後70年が経っても、詳細なことがわからないのかと理不尽さを感じた。
 私は看護学を学んでおり、看護師になるつもりだ。戦争になったら、戦場に送られる可能性もある。私は戦争支援のために看護師になるのではないし、戦争なんて望んでいない。
 悲しい体験をした家族がいるのが理由の一つだ。祖母の兄は兵士として旧満州中国東北部)に送られ、地雷を踏んで亡くなった。遺骨は一部しか帰らず、それも本人のものかどうかさえ分からない。
 政府は憲法解釈を変え、戦争の準備を進めようとしているように映る。戦争になれば、どれほどの命と希望を失うのだろうか。再び悲劇を繰り返さないために、戦争の本当の姿は何かを考えてもらいたい。
    −−「声:従軍看護師になりたくない=大学生(茨城県 18)」、『朝日新聞』2015年07月07日(日)付。

        • -





Resize3016

Resize2967