覚え書:「今週の本棚・新刊:『スープを売りたければ、パンを売れ』=山田まさる著」、『毎日新聞』2015年08月09日(日)付。
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今週の本棚・新刊:『スープを売りたければ、パンを売れ』=山田まさる著
毎日新聞 2015年08月09日 東京朝刊
(ディスカヴァー・トゥエンティワン・1620円)
東京で一番長い商店街として知られる戸越銀座の老舗鮮魚店「魚慶」の最大の売りは、新鮮な魚を並べて毎週土曜日に行われる「お刺し身バイキング」。自身も魚の好き嫌いがあった店主が、好きなものを好きなだけ選んで食べてもらいたいと考えて思いついた。「中トロ二つ、ホタテ一つ、赤身を一つ下さい」。閉店間際まで客足は絶えず、商店街の集客にも一役買っているという。
この店をよく利用するという著者は、ホテルの食事やケーキならともかく、魚屋なのにバイキングという意外な商法を冒頭で紹介。町中にモノがあふれている時代だからこそ、ユニークな戦略に基づいて個性を活(い)かすことが求められていると説く。
ブティックと見間違うような塩の専門店や、介護現場の声をヒントにした大人用の塗り絵、目が悪くない人をターゲットにしたパソコン作業用の眼鏡。大企業ではなくても注目される店や商品の例を読むと、なるほどと感心させられる。
「ビッグデータ」を活用するだけでは、人の心はつかめない。今こそ視点や発想を変えることが重要だという指摘は、どんな仕事にも通じるものだ。(さ)
−−「今週の本棚・新刊:『スープを売りたければ、パンを売れ』=山田まさる著」、『毎日新聞』2015年08月09日(日)付。
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http://mainichi.jp/shimen/news/20150809ddm015070049000c.html
スープを売りたければ、パンを売れ
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