覚え書:「満州事変はなぜ起きたのか [著]筒井清忠」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。
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満州事変はなぜ起きたのか [著]筒井清忠
[掲載]2015年10月18日 [ジャンル]歴史 社会
歴史に切れ目はないのだから、歴史的事象を分析するのに、ある時代を切り取ってくることは本来できない。満州事変においても同様である。では、どこから書き出すか。著者が着目したのは「『大衆』の登場」である。日露戦争講和条約反対の日比谷焼き打ち事件にみられるように「大衆の時代」が始まりつつあったと説く。その「大衆の時代」にあって、日本は国際世論に訴え、理解を得るという戦略をまったく欠く一方で、軍部の「ずさんな謀略」や「満蒙は生命線」との「危険な論理」で暴走は続いた。その背後に「満州事変を熱狂的歓呼で迎えることになる大衆の世論があった」と指摘する。「ナショナリズムの取り扱いの難しさ」は今も変わらない。
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中公選書・1944円
−−「満州事変はなぜ起きたのか [著]筒井清忠」、『朝日新聞』2015年10月18日(日)付。
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