覚え書:「ひと:ナビラ・レフマンさん 米無人機攻撃の住民被害を訴えるパキスタンの少女」、『朝日新聞』2015年11月18日(水)付。
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ひと:ナビラ・レフマンさん 米無人機攻撃の住民被害を訴えるパキスタンの少女
2015年11月18日
パキスタンで相次ぐ米国の無人機攻撃による住民被害。その悲劇を伝えようと15日に初来日し、「私が海外でできるのは、罪のない人がたくさん殺されていると声を上げ続けることです」と訴えた。
故郷のパキスタン北西部の部族地域は、イスラム過激派のパキスタン・タリバーン運動(TTP)の拠点だ。ボン、ボンと鼓膜ログイン前の続きを揺する米無人機の爆撃音を聞いて育った。一帯での無人機による住民の犠牲は数百人と言われる。
2012年10月24日。無人機の爆撃は突然始まった。畑で野菜を摘んでいた家族をミサイルが襲った。祖母は死亡。爆発でえぐれた地面に肉片が散った。自身も吹き飛ばされ、右腕から流血した。ほかに家族8人が負傷した。
1年後、被害を告発する弁護士の勧めで教員の父と訪米した。数週間前には、同じパキスタンの少女でTTPに銃撃されたマララ・ユスフザイさん(18)がオバマ大統領と面会していた。だが、ナビラさんに耳を貸したのは議員5人だけ。米政府も取り合わなかった。
昨夏には政府軍とTTPの戦火が故郷に迫り、避難民に。仮設小屋で一人、教科書をめくる。治安上の理由や貧しさなどで国内では550万人以上の子どもが学校に通えずにいる。「大学に行って弁護士になるのが夢です。困っている子どもたちを助けるために」。薄茶色の瞳が少しだけ笑った。
(文・乗京真知 写真・角野貴之)
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Nabila Rehman(11歳)
ーー「ひと:ナビラ・レフマンさん 米無人機攻撃の住民被害を訴えるパキスタンの少女」、『朝日新聞』2015年11月18日(水)付。
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http://www.asahi.com/articles/DA3S12072893.html