覚え書：「今週の本棚・新刊 『東芝 不正会計 底なしの闇』＝今沢真・著」、『毎日新聞』2016年1月31日（日）付。
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今週の本棚・新刊
『東芝 不正会計 底なしの闇』＝今沢真・著
毎日新聞2016年1月31日 東京朝刊
（毎日新聞出版・１０８０円）
もし勤務先の社長が暴走を始めたら？ 業績堅調だった会社が一夜明けると経営危機に陥っていたら？
古くは山一証券の経営破綻、そしてカネボウ、ライブドア、オリンパスと続く粉飾決算。有名企業の不祥事は後を絶たない。とりわけ東芝の不正会計は、経団連副会長を務めた２人を含む歴代３社長が「チャレンジ」と称して部下に利益かさ上げを強要していた事実が明るみに出て役職を辞任するという、日本経済史上前例のない事態に発展する。
著者は昨年６月にスタートした毎日新聞の新しい経済ニュースサイト「経済プレミア」の編集長兼論説委員を務める。サイト発足と重なるように表面化した名門企業の不祥事を、３０年近く経済分野を担当してきた専門記者の視点から、サイトで連載記事３０本を執筆した。それに加筆したのが本書である。
２度にわたる株主総会、社長の謝罪会見、隠された米原子力事業の巨額の損失計上、従業員１万人のリストラといった出来事が矢継ぎ早に起きる。経済ドラマ、あるいはミステリーを読むような展開に釘付（くぎづ）けとなる。ビジネスに携わる人々にぜひお勧めの一冊だ。（大）
−−「今週の本棚・新刊 『東芝 不正会計 底なしの闇』＝今沢真・著」、『毎日新聞』2016年1月31日（日）付。
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今週の本棚・新刊：『東芝 不正会計 底なしの闇』＝今沢真・著 - 毎日新聞
