覚え書:「著者に会いたい えんとつ町のプペル にしのあきひろさん [文]後藤洋平」、『朝日新聞』2016年12月11日(日)付。
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著者に会いたい
えんとつ町のプペル にしのあきひろさん
[文]後藤洋平 [掲載]2016年12月11日
にしのあきひろ(西野亮廣)さん=角野貴之撮影
■型破りな絵本で「打倒ディズニー」
煙に覆われた「えんとつ町」でハロウィーンの夜に生まれた「ゴミ人間」と、たった一人の友達になる少年との友情の物語を絵本に。クラウドファンディングで資金1千万円を集め、35人の制作陣による完全分業制という型破りな作品が、発売から1カ月半で、14万部を突破した。
巻末にはエンドロールのようにスタッフの氏名が並ぶ。本人の役割は「絵・文・監督」で、「メイクや美術がいる映画と同様、絵本だって森や星など、それぞれ得意な人が描いた方が良いものになるのは当然でしょう」と語る。
吉本興業のタレント養成所にいた2000年、梶原雄太とのコンビ「キングコング」で関西の漫才コンテストで最優秀賞を受賞。翌年には人気番組出演とM−1グランプリの決勝進出で全国区に。「若手有力株の筆頭」と評された。
多数のタレントが一堂に会して存在感を競う「ひな壇」や、グルメ、クイズ番組には出演しないと宣言すると、モデルのような容姿も相まって「挫折知らずの、鼻持ちならない男」との批判も受けた。だが本人は「人気番組の出演を重ねても、芸能界の序列は変わらない」「自分にはテレビでの才能はない」と痛感し、漫才に向き合うためにも本業のお笑い番組以外を避けたいという意図があった。
自暴自棄になりかけていた11年前、タモリさんから突然呼び出され、「お前は絵を描いた方がいい。絵本を作るとか」と助言された。それまで本格的に絵を描いたことはなかったが「番組でのフリップで描いたものや、性格で判断してくださったのでは」と振り返る。以降の活動は劇場での漫才と二足のわらじで、今回が4作目の絵本。現在は「打倒ウォルト・ディズニー」を掲げ、「いかにこの本を100万部売るかを考えている」。
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幻冬舎・2160円
−−「著者に会いたい えんとつ町のプペル にしのあきひろさん [文]後藤洋平」、『朝日新聞』2016年12月11日(日)付。
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http://book.asahi.com/reviews/column/2016121100013.html